2009年 01月 11日
天体望遠鏡 |
2009年はユネスコの世界天文年で、日本でも様々な行事が予定されています。ちなみに、世界物理年は2005年で、私はその年にはエジプトの新アレクサンドリア図書館で開かれたアインシュタイン・シンポジウムに参加しました。
国際天文年は、ガリレオが初めて望遠鏡を宇宙に向けた1609年から400年の節目を記念するものだそうです。ガリレオの望遠鏡は口径が4センチでした。
天体望遠鏡の技術は過去100年の間に大きく進歩しました。カリフォルニア工科大学を創設したジョージ・ヘールは、ウィルソン山に天文台を作るためにパサデナに来ました。1908年に完成した望遠鏡は口径1.5メートルの望遠鏡で、当時世界最大でした。ヘールは、その9年後には口径2.5メートルの望遠鏡を完成させます。エドウィン・ハッブルは、この望遠鏡を使って、遠方の銀河の赤方偏移が地球からの距離に比例していることを発見しました。これは、宇宙が膨張している証拠となった、科学史上もっとも重要な発見の一つです。
ヘールは1928年にロックフェラー財団から600万ドルを得て、パロマー山に口径5メートルの望遠鏡を計画します。この望遠鏡は、第2次世界大戦をはさんで、ヘールの死の10年後の1948年に完成し、その後30年近くにわたって世界最大の望遠鏡でした。科学ジャーナリズムの名作『パロマー山の巨大望遠鏡』は、このヘール望遠鏡の建設の歴史を見事に伝えています。
日本の国立天文台のすばる望遠鏡は1999年に完成し、直径8.2メートルの一枚鏡は当時世界最大でした。小平桂一さんの『宇宙の果てまで』は、すばる望遠鏡の発案者による建設までの20年間の記録です。天文学者としての研究と望遠鏡建設のための行政のバランスをどのように取るべきか悩むところは、研究者としてよくわかる気がしました。世界第2位の経済大国である日本が、このように人類の知的進歩に貢献しているのは素晴らしいことだと思います。
海部宣男さんの『すばる望遠鏡の宇宙』では、望遠鏡建設の苦労とその成果が美しい写真とともに語られています。
IPMUは、すばる望遠鏡を使って宇宙の暗黒物質や暗黒エネルギーの分布を測定するプロジェクトを計画しています。
カリフォルニア工科大学は、カリフォルニア大学とカナダの天文研究大学連合と共同で、30メートルの望遠鏡を計画しています。一昨年には、カリフォルニア工科大学の卒業生であるゴルドン・ムーアさんから2億ドルの寄付をいただき、望遠鏡の建設に弾みが付きました。
また、宇宙望遠鏡としては、ハッブル望遠鏡(口径2.4メートル)の後継機であるジェームス・ウェッブ望遠鏡(口径6.5メートル)が2013年に打ち上げられる予定になっています。
国際天文年は、ガリレオが初めて望遠鏡を宇宙に向けた1609年から400年の節目を記念するものだそうです。ガリレオの望遠鏡は口径が4センチでした。
天体望遠鏡の技術は過去100年の間に大きく進歩しました。カリフォルニア工科大学を創設したジョージ・ヘールは、ウィルソン山に天文台を作るためにパサデナに来ました。1908年に完成した望遠鏡は口径1.5メートルの望遠鏡で、当時世界最大でした。ヘールは、その9年後には口径2.5メートルの望遠鏡を完成させます。エドウィン・ハッブルは、この望遠鏡を使って、遠方の銀河の赤方偏移が地球からの距離に比例していることを発見しました。これは、宇宙が膨張している証拠となった、科学史上もっとも重要な発見の一つです。
ヘールは1928年にロックフェラー財団から600万ドルを得て、パロマー山に口径5メートルの望遠鏡を計画します。この望遠鏡は、第2次世界大戦をはさんで、ヘールの死の10年後の1948年に完成し、その後30年近くにわたって世界最大の望遠鏡でした。科学ジャーナリズムの名作『パロマー山の巨大望遠鏡』は、このヘール望遠鏡の建設の歴史を見事に伝えています。
日本の国立天文台のすばる望遠鏡は1999年に完成し、直径8.2メートルの一枚鏡は当時世界最大でした。小平桂一さんの『宇宙の果てまで』は、すばる望遠鏡の発案者による建設までの20年間の記録です。天文学者としての研究と望遠鏡建設のための行政のバランスをどのように取るべきか悩むところは、研究者としてよくわかる気がしました。世界第2位の経済大国である日本が、このように人類の知的進歩に貢献しているのは素晴らしいことだと思います。
海部宣男さんの『すばる望遠鏡の宇宙』では、望遠鏡建設の苦労とその成果が美しい写真とともに語られています。
IPMUは、すばる望遠鏡を使って宇宙の暗黒物質や暗黒エネルギーの分布を測定するプロジェクトを計画しています。
カリフォルニア工科大学は、カリフォルニア大学とカナダの天文研究大学連合と共同で、30メートルの望遠鏡を計画しています。一昨年には、カリフォルニア工科大学の卒業生であるゴルドン・ムーアさんから2億ドルの寄付をいただき、望遠鏡の建設に弾みが付きました。
また、宇宙望遠鏡としては、ハッブル望遠鏡(口径2.4メートル)の後継機であるジェームス・ウェッブ望遠鏡(口径6.5メートル)が2013年に打ち上げられる予定になっています。
by planckscale
| 2009-01-11 00:00