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Caltech と カブリIPMU で素粒子論の研究をしています。(写真提供:日経サイエンス)
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2009年 02月 02日
名誉の誓い
今週は中間試験の期間なので、週末に試験問題を作りました。米国では、会社に就職したり大学院に進学したりするときに大学の授業の成績が大切なので、中間試験の問題を作るのにも気を使います。私の量子力学のクラスには50名ぐらいの生徒がいて、Caltechにしては大人数なので、大学院生2名の教育補佐員(ティーチング・アシスタント)と2名の採点係(グレーダー)が付いています。私が大学生の時のノートを引っぱり出したり、教育補佐員の人に問題の案を出してもらったりして、何とかそれらしい問題集を作りました。

試験は寮の自室に持ち帰って解いてもよいことにしたので、全員が同じ条件で試験が受けられるように、手書きのノートは見てもよいが本やコンピュータはダメ、友達と相談するのももちろんダメ、試験時間は4時間、などと細かく指定する必要があります。自室でやるので、守ってくれるかどうかわからないですが、「名誉の誓い(オナー・コード)」というのがあって、人が見ていないときでも責任のある行動を取ることになっています。

「Caltechの構成員は、他の構成員の善意に付け込んではいけない。」という1文だけで、なにが不正に当たるのかは各自が判断することになっています。たとえば、自室で試験を受ける時に、指定より長く時間を使って解いたり、本を見たりするのは、私の善意に付け込んでいるということになります。先週、教室で中間試験の方法について説明したら、早速その後で学生がやってきて、授業のノートをコンピュータで取っているのだが、それは見てもよいのかと質問されました。そこで、手書きのノートと自分で作ったコンピュータのノートは見てもよいことに変更しました。

大学の調査によると「名誉の誓い」はかなりまじめに守られているようで、これを破るようなやつは最低だという意識が浸透しているようです。また卒業生のアンケートでも、自分の判断で責任のある行動を取る習慣をつけることができて、よい経験であったという評価を受けているそうです。

Caltechの学生についてもう一つ感心したことは、学期末に成績を発表した後で、文句を言いに来る学生がほとんどいないということです。宿題を解いたり試験を受けるときは精一杯取り組んで、その結果は粛々と受け入れるという態度は、立派だと思います。

by planckscale | 2009-02-02 14:49 | Trackback | Comments(0)
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