2009年 10月 07日
2重星の有効理論 |
午後の授業を終えて、学生の人と研究の打ち合わせをした後は、天体物理学教室の重力波研究グループのセミナーに行って見ました。講師はメリーランド大学のポストドクトラル・フェローのシャッド・ギャレーさんで、2重星からの重力波の計算に、場の量子論で使われる「有効理論」の考え方を応用するという話でした。ニュートン力学からの補正の高次の項の計算が、見通しよくなるのだそうです。セミナーの前半では、拡がった荷電分布が電磁波を放出するときの反作用について、ジャクソンの教科書にあるような例を、有効理論で説明していました。
古典場の理論ですが、有効理論を使っていけない理由はありません。そういえば、しばらく前に雑誌『パリティ』に田崎晴明さんが、ニュートン力学の問題で「くりこみ群」の概念を説明する記事を書いていらっしゃいました。ギャレーさんの話ではくりこみ群は表立って活躍していませんでしたが、くりこみ群を使うとニュートン力学への補正の部分列を足しあげたりすることができるのでしょうか。
夕食後には、ビデオ会議でIPMUのセミナーに出席しました。DESYのラモス=サンチェスさんが、ヘテロティック弦理論のオービフォルドによる現象論的模型の構成についての話をされました。
ところで、私のホームページがいろいろなものの張りすぎで見苦しくなっていたので、整理してみました。すっきりして、いい気分です。
by planckscale
| 2009-10-07 14:59