2013年 02月 14日
デンマークの思い出 |
土曜日のお昼前にセント・ジョン島を出発して、夜遅くにパサデナに帰ってきました。
左の写真は、セント・ジョン島からセント・トーマス島への渡し舟に乗るところ。ぎりぎりまで物理の議論をしています。
船が出ると、桟橋にホテルの支配人、コックさん、ボーイさん、メードさんがならんで手を振ってくれるのは、日本の温泉宿のお見送りのようです。
米国の東海岸北部は、土曜日に豪雪に見舞われ、多くの飛行機がキャンセルになりました。幸い私の乗った飛行機は、ノースカロライナ経由でしたので、予定通りロサンゼルスに到着しました。
しかし、翌日の日曜日に予定されていたCaltechの外部審査委員会は、委員の中に飛行機がキャンセルなってしまった方々が多くいらしたので、延期になりました。この委員会のために、昨年末から準備していたので、延期になって残念でした。
火曜日に2つ小包が届きました。
1つは、幻冬舎からで、拙著『強い力と弱い力』の見本。3週間前に送っていただいていたのですが、ロサンゼルス空港の税関に留め置かれていました。時間がかかっているので、税関の係員の方々が熟読されて、感想文が添付されてくるのかと思っていましたが、開封もされていませんでした。
もう1つは、アメリカ数学会から。開けてみたら、数学会フェロー就任記念の文鎮(右の写真)と初代フェローの名簿でした。1月に開かれたフェローの就任式で、賞状とともに手渡されたものだそうですが、参加できなかったので送ってくださったのです。
先週は出張していたので、事務手続きがたまっていました。今日は、デンマークの「モジュライ空間の量子幾何学研究センター」と、Caltechの素粒子論研究室の交換プログラムの申請書を提出しました。
というわけで、デンマークの思い出話を書きます。
子供が小さかった頃、デンマークのレゴランドに行った事がありました。次に、ドイツのハンブルクに向かう予定になっていたので、近くのバイレの駅から鉄道に乗る予定でした。
ヨーロッパでは、しばしば列車の扉を開けるのに、ボタンを押さなければいけません。冬が寒いので、無駄に扉を開けて熱を逃がすのを防ぐのだと思います。私たちは、うっかりして、列車が到着したのに、扉が開くのを待っていて、列車はそのまま行ってしまいました。
一日に何本もない列車なので、困っていたら、おじさんがやってきて、駅の事務室に連れて行ってくれました。事情を話すと、次の駅に電話をしてくれて、「これから追いかけよう」と言います。わけがわからず、おろおろしていると、駅の外まで手を引っ張って連れていかれ、タクシーに乗せられます。
タクシーが列車を追いかけるという、007映画のようなことになりました。タクシーの運転手さんも、事情がわかっているので、張り切って運転してくれます。
次の駅に着くと、駅員さんが駅の外で待っていて、プラットホームにまで、連れて行かれます。「タクシー代は?」と聞くと、「いいから、いいから」とおっしゃいます。
プラットホームに着くと、なんと、列車が待っていてくれました。ゆっくりお礼を申し上げる暇もなく、列車に押し込まれて、「よい旅を」と、見送られました。
デンマークというと、このことを思い出します。
左の写真は、セント・ジョン島からセント・トーマス島への渡し舟に乗るところ。ぎりぎりまで物理の議論をしています。
船が出ると、桟橋にホテルの支配人、コックさん、ボーイさん、メードさんがならんで手を振ってくれるのは、日本の温泉宿のお見送りのようです。
米国の東海岸北部は、土曜日に豪雪に見舞われ、多くの飛行機がキャンセルになりました。幸い私の乗った飛行機は、ノースカロライナ経由でしたので、予定通りロサンゼルスに到着しました。
しかし、翌日の日曜日に予定されていたCaltechの外部審査委員会は、委員の中に飛行機がキャンセルなってしまった方々が多くいらしたので、延期になりました。この委員会のために、昨年末から準備していたので、延期になって残念でした。
火曜日に2つ小包が届きました。
1つは、幻冬舎からで、拙著『強い力と弱い力』の見本。3週間前に送っていただいていたのですが、ロサンゼルス空港の税関に留め置かれていました。時間がかかっているので、税関の係員の方々が熟読されて、感想文が添付されてくるのかと思っていましたが、開封もされていませんでした。
もう1つは、アメリカ数学会から。開けてみたら、数学会フェロー就任記念の文鎮(右の写真)と初代フェローの名簿でした。1月に開かれたフェローの就任式で、賞状とともに手渡されたものだそうですが、参加できなかったので送ってくださったのです。
先週は出張していたので、事務手続きがたまっていました。今日は、デンマークの「モジュライ空間の量子幾何学研究センター」と、Caltechの素粒子論研究室の交換プログラムの申請書を提出しました。
というわけで、デンマークの思い出話を書きます。
子供が小さかった頃、デンマークのレゴランドに行った事がありました。次に、ドイツのハンブルクに向かう予定になっていたので、近くのバイレの駅から鉄道に乗る予定でした。
ヨーロッパでは、しばしば列車の扉を開けるのに、ボタンを押さなければいけません。冬が寒いので、無駄に扉を開けて熱を逃がすのを防ぐのだと思います。私たちは、うっかりして、列車が到着したのに、扉が開くのを待っていて、列車はそのまま行ってしまいました。
一日に何本もない列車なので、困っていたら、おじさんがやってきて、駅の事務室に連れて行ってくれました。事情を話すと、次の駅に電話をしてくれて、「これから追いかけよう」と言います。わけがわからず、おろおろしていると、駅の外まで手を引っ張って連れていかれ、タクシーに乗せられます。
タクシーが列車を追いかけるという、007映画のようなことになりました。タクシーの運転手さんも、事情がわかっているので、張り切って運転してくれます。
次の駅に着くと、駅員さんが駅の外で待っていて、プラットホームにまで、連れて行かれます。「タクシー代は?」と聞くと、「いいから、いいから」とおっしゃいます。
プラットホームに着くと、なんと、列車が待っていてくれました。ゆっくりお礼を申し上げる暇もなく、列車に押し込まれて、「よい旅を」と、見送られました。
デンマークというと、このことを思い出します。
by planckscale
| 2013-02-14 14:30