2017年 08月 26日
巨大ブラックホールの影 |
先週は、カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学で開かれた「量子重力の量子情報」と題した会議で講演しました。
先週は、CaltechとMITが運用している LIGO と ヨーロッパの Virgo での、重力波観測のうわさが立っていました。正式発表の前にうわさを広めるのはよくないと思っていたのですが、ネイチャー誌のウェブサイトにもうわさが掲載されていました。
⇒ ネイチャー誌の記事
LIGOでこれまで観測された重力波は、すべてブラックホールの連星の合体から発せられたものでしたが、うわさによると、今回観測された重力波は中性子星の連星が合体した時にできたものだそうです。
しかも、そのときに同時に発せられた電磁波が、別の天文台で観測されたそうです。8月25日付のLIGO-Virgoグループの発表には、
「重力波の有望な候補がLIGOとVirgoの予備解析で見つかり、天体観測のパートナーに通達した」
とありました。
重力波と電磁波の両方の観測を組み合わせることで、中性子星の仕組みがより詳しくわかるようになると期待されています。中性子星の合体では、ニュートリノも放出されるはずなので、それも観測されるといいですね。
正式な発表が楽しみです。
さて、先週の日曜日には、NHKのEテレ「こころの時代」 という番組で、立教大学名誉教で仏教学者の横山紘一さんと私の対談が放送されました。担当のディレクターからは、
「『良い質問は、良い答えを呼ぶ』という感想が多かった」
「繰り返しおっしゃった、『科学に100%はない。真実は人間には理解できないかもしれない』、そして、『生きる意味や幸せは、自分で引き受けていくしかない』という言葉が、私にはとても印象深く残っています。」
とのご連絡を受けました。
8月26日(土)の午後1時から、NHKのEテレで再放送だそうです。
『週刊ダイヤモンド』の連載「大人のための最先端理科」。9月2日号掲載の第27回記事では、全世界の電波望遠鏡のネットワークで、地球サイズの仮想的な望遠鏡を作り、私たちの天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールを観測しようという試みについて解説しました。
ブラックホールの連星が合体するときに発せられた重力波は、LIGOによって観測されましたが、銀河中心の巨大ブラックホールが放つ重力波は、波長が長いので、現在ある重力波天文台では観測するのが難しい。しかし、電波望遠鏡のネットワークを使うと、ブラックホールの影を見ることができると考えられています。
編集部の付けてくださったタイトルは、「世界の電波望遠鏡が目を凝らす巨大ブラックホールの影」。
この『週刊ダイヤモンド』の記事は電子版でご覧いただくこともできます。
先週は、CaltechとMITが運用している LIGO と ヨーロッパの Virgo での、重力波観測のうわさが立っていました。正式発表の前にうわさを広めるのはよくないと思っていたのですが、ネイチャー誌のウェブサイトにもうわさが掲載されていました。
⇒ ネイチャー誌の記事
LIGOでこれまで観測された重力波は、すべてブラックホールの連星の合体から発せられたものでしたが、うわさによると、今回観測された重力波は中性子星の連星が合体した時にできたものだそうです。
しかも、そのときに同時に発せられた電磁波が、別の天文台で観測されたそうです。8月25日付のLIGO-Virgoグループの発表には、
「重力波の有望な候補がLIGOとVirgoの予備解析で見つかり、天体観測のパートナーに通達した」
とありました。
重力波と電磁波の両方の観測を組み合わせることで、中性子星の仕組みがより詳しくわかるようになると期待されています。中性子星の合体では、ニュートリノも放出されるはずなので、それも観測されるといいですね。
正式な発表が楽しみです。
さて、先週の日曜日には、NHKのEテレ「こころの時代」 という番組で、立教大学名誉教で仏教学者の横山紘一さんと私の対談が放送されました。担当のディレクターからは、
「『良い質問は、良い答えを呼ぶ』という感想が多かった」
「繰り返しおっしゃった、『科学に100%はない。真実は人間には理解できないかもしれない』、そして、『生きる意味や幸せは、自分で引き受けていくしかない』という言葉が、私にはとても印象深く残っています。」
とのご連絡を受けました。
8月26日(土)の午後1時から、NHKのEテレで再放送だそうです。
『週刊ダイヤモンド』の連載「大人のための最先端理科」。9月2日号掲載の第27回記事では、全世界の電波望遠鏡のネットワークで、地球サイズの仮想的な望遠鏡を作り、私たちの天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールを観測しようという試みについて解説しました。
ブラックホールの連星が合体するときに発せられた重力波は、LIGOによって観測されましたが、銀河中心の巨大ブラックホールが放つ重力波は、波長が長いので、現在ある重力波天文台では観測するのが難しい。しかし、電波望遠鏡のネットワークを使うと、ブラックホールの影を見ることができると考えられています。
編集部の付けてくださったタイトルは、「世界の電波望遠鏡が目を凝らす巨大ブラックホールの影」。
この『週刊ダイヤモンド』の記事は電子版でご覧いただくこともできます。
by PlanckScale
| 2017-08-26 09:37