2009年 04月 01日
サクラサク |

ここで質問:上野公園で一春に散る桜の花びらの数はいくつでしょうか。
どうでもよいような話ですが、ちょっと計算してみます。桜の花の直径が3センチぐらいだとすると、面積は10平方センチぐらい、これが1センチぐらいで折り重なっているとすると、密集しているところでは、花は10立方センチ当たり1つぐらいでしょうか。1つの花に5つの花びらがあるので、10立方センチに5つの花びらということになります。
さて、桜の木が5メートルぐらいの高さだとすると、それを囲む立方体の体積は125立方メートル。そのうち枝の部分が半分ぐらい、そして花が密集している部分はその先の方だけだとして、おおよそ20立方メートルぐらいに花が密集していると見積もります。1立方メートルは100万立方センチメートルなので、10立方センチに5つある花びらは、20立方メートルには100万個あることになります。
これは大雑把な見積もりなので、一桁ぐらいは違うかもしれませんが、あまり気にしないで進みます。
上野公園にはおよそ1000本のさくらの木があるので、これに100万を掛けると、10億。およそ、中国の人口と同じくらいの花びらが、一春で上野公園で散ることになります。
こういう問題は、20世紀の偉大な物理学者エンリコ・フェルミが得意としたといわれ、フェルミ問題と呼ばれています。Caltechでは、2年に1度「桁数の見積もり」のコースがあって、生徒が「ハリケーンがフロリダ州のマイアミ市を襲ったときに、自動車で全市民を避難させるには何時間かかるのか」といった問題を考えます。
今週のニューヨークタイムズの科学欄に、フェルミ問題が出題されていました。挑戦したい人は、ここをクリックしてください。
ちょっと違う種類の問題ですが、東京都庁の屋上から見える地平線は何キロメートル先にあるのか、というのはどうでしょうか。
答えは、地上からの高さと地球の半径の幾何平均(2つの量を掛けて平方根をとる)です。正確には、2の平方根がいるのですが、桁数の見積もりでは気にしません。地球の円周が4万キロメートルであることを知っていると便利です。
by planckscale
| 2009-04-01 22:35