2009年 04月 03日
ランドスケープ、ブラックホール、花見 |

一昨日は、ヘンリー・タイさんのコロキウムがありました。コロキウムの講演者には、学部全体の聴衆を対象に、学部学生でもある程度理解できる話し方で、最先端の話題を説明することが求められます。IPMUには、天文学者から実験・理論物理学者、数学者までいるので、さらに広い聴衆です。タイさんは、超弦理論に準安定な真空が沢山あるとしたときに、我々の宇宙はどの真空を選ぶかについて講演をされました。物性物理学理論のランダム・ポテンシャルのアンダーソン局在の理論の類推で、宇宙項の大きい真空はすぐに崩壊するが、宇宙項の小さい真空では局在効果が起こるとして、宇宙項の小さい真空が選ばれるとの主張でした。重力の効果を取り入れていないのが疑問に残りましたが、なかなか楽しい講演でした。
コロキウムは広い分野の話を聞く重要な機会ですが、継続して運営するのは大変で、先週ソルベー研究所のお手伝いでブリュッセルに行っていたときにも、苦心している様子をお聞きしました。一方、昨秋、東京大学の物理教室でコロキウムをさせていただいたときには、とてもうまく運営されているという印象をうけました。係りの先生方のご尽力の賜物だと思います。
昨日は、午前中は私のインフォーマル・セミナー、午後はルース・グレゴリーさんとウェイ・ソンさんのセミナーという過密スケジュールでした。私のセミナーは、山崎雅人さんと書いたこの論文についてでしたが、ダイマー模型という統計力学系の熱力学極限で、カラビ・ヤウ多様体の周期写像が現れるというところがパンチラインです。ウェイ・ソンさんのセミナーは、極限の速さで回転しているブラックホールのエントロピーを、共形場の理論のカーディ公式を使って計算すると言う話でした。カーディ公式を使うには、モジュラー不変性を仮定しますが、この仮定がどのように正当化できるのかが謎でした。今日は、何も予定がなかったので、ソンさんに計算の内容を詳しく教えていただきました。特に、モジュラー不変性の仮定の議論には、ヘラーマンさんにも加わってもらい、とても勉強になりました。
夜は、事務部門の方々の企画で、隣接した柏の葉公園で花見をしました。桜の下でのんびり歓談ができてよかったです。
by planckscale
| 2009-04-03 22:28









