2009年 04月 22日
Caltechのひみつ |
右の写真の建物の地下2階に、Caltechの秘蔵の部屋があります。先月、フンボルト・シンポジウムでファデーフさんにお会いしたときに、ベーテ仮説についてのファインマンさんの分厚いノートを見たことがあるとお聞きしました。そして、まだどこかにあったら読んでみたいので、調べてくれないかと頼まれました。ベーテ仮説についてはファインマンさんの最後の黒板にも書かれていたので、亡くなる直前に興味を持っていたことは知っていました。私も、最近のネクラソフ君の仕事の関係でベーテ仮説に興味があるので、よい機会だと思い調査することにしました。
幸い、Caltechには立派なアーカイブがあって、退官された先生方の書類がきちんと分類されて保存されています。そこで、ファインマンさんの書類を見に行きました。彼のセクションには大きな箱が50以上もありましたが、事前に連絡していたので、司書の人が目当てをつけたフォルダーを見せてくれました。ファデーフさんのおっしゃっていたような分厚いノートはありませんでしたが、亡くなる年に、セミナーでベーテ仮説について話をした10枚程度のノートが残っていました。なぜベーテ仮説に興味を持っているかの話から、スピン系の例、またファインマン流の導出などが書いてあって興味深いノートでした。せっかくアーカイブまで行ったので、ファインマンさんの手紙も見せてもらいました。ファインマンさんの手紙のいくつかは最近本になって、日本語でも出版されています。この本はユーモアに溢れた面白い読み物になっていますが、一般向けの本なので、技術的な内容の手紙はあまり掲載されていません。アーカイブには、たとえば1940年代後半にファインマンがくりこみ理論に取り組んでいたころの、ハンス・ベーテとのやりとりも残されていました。
このほかアーカイブには、Caltech関係者にインタビューをした「オーラル・ヒストリー」の記録があります。現在170人以上のインタビューを、ウェブで読むことができます。きちんと調査してからインタビューに臨んでいるようで、どれもなかなか読み応えがあります。20世紀の科学史の貴重な資料になっているのではないかと思います。
by planckscale
| 2009-04-22 14:01









