2009年 06月 26日
Strings 2009: 4日目 |
木曜日の最初の講演はペトロ・ホジャバさんで、リフシッツ模型に着想を得た新しい重力理論についての話でした。ホジャバさんの理論では、高エネルギーでは空間方向の座標変換の不変性しか持たないのに、低エネルギーでは時間と空間の一般相対性が出現すると言うのが大きな仮定です。講演の後の質疑の時間に、エドワード・ウィッテンさんから鋭い突込みがありました。一般相対性を持たない理論から一般相対性を持つ理論が創発されることは、ホログラフィーのように時空間の次元が変わらない限り考えにくいという趣旨だったように思います。ワインバーグ・ウィッテン定理のことが念頭にあったのでしょうか。私は、エバ・シルベスタインさんの話にとても興味がありました。AdS_4 x (コンパクトな空間)の上の超弦理論で、コンパクトな空間の大きさを変えないで、AdS_4の局率半径だけをいくらでも大きくできるものがあるか。言い換えると、3次元の共系場の理論で、4次元ミンコフスキー空間上の量子重力理論をいくらでもよく近似できるものがあるかという問題でした。たとえば、M2ブレーン上の理論と等価になるAdS_4 x S^7では、AdS_4の局率半径を大きくすると、S^7の半径も同じように大きくなってしまうので、これはよい例ではありません。7ブレーンを使って、AdS_4の宇宙項を相殺してやろうというアイデアのようでした。
この他には、午後の最後のスティーブン・ガブサーさんのブラックホールの物理と超伝導の物理の対応の話が勉強になりました。
夜には会議のバンケットがありました。会場はボルゲーゼ公園の中のエトルリア博物館で、ローマ教皇ユリウス3世の別荘だったそうです。食事の前には博物館の案内があって、有名な「夫婦の陶棺」も拝見しました。ルーブル博物館にも同じような陶棺があって、夫婦の顔もよく似ているのですが、案内の人に聞いてみると同じ遺跡から発掘されたものなのだそうです。ルネッサンス期の建物ですが、古代ローマのテーマパークのような雰囲気でもありました。上の写真にも写っている松の姿が美しいと思いました。
by planckscale
| 2009-06-26 06:51









