2009年 09月 02日
ロサンゼルスは燃えているか。 |

Caltechのあるパサデナ市は、ロサンゼルス市の中心から車で15分ほど北に向かった近郊住宅地で、その北にはサンガブリエル山脈がそびえています。先週の水曜日に山火事が発生して、これまでに琵琶湖の2/3にあたる面積が焼けたそうです。パサデナにも灰が降っていると聞きました。
上の右側の写真では、ジェット推進研究所のすぐ近くまで火災が迫っていることがわかります。ジェット推進研究所は、NASAの委託を受けてCaltechが運営している、宇宙無人探査の中心的研究所です。第2次大戦中からロケットの研究をはじめ、パイオニア号やボイジャー号による惑星探査や、最近では火星の表面を走り回ったマース・ローバーもこの研究所で製作・運転されました。
火勢は今も弱まることなく、ウイルソン山の頂上にある天文台にも迫っているそうです。ウイルソン山の天文台は、エドウィン・ハッブルが遠方の銀河の赤方偏移を観測して、宇宙が膨張していることを発見した歴史的な天文台です。また、頂上にはロサンゼルス一帯にテレビ、ラジオや携帯電話の信号を送るアンテナ群があるので、頂上が焼けてしまうと大変です。米国では過去半世紀にわたって、国立公園や国立森林では山火事を極力防ぐ政策を取ってきました。自然状態では定期的に火事が起きるので、森林の木や草が入れ替わり、また枯れ木が除去されます。しかし、人工的に火災を防いできたので、森林に可燃物が増え、いったん火災が起きると消し止めることが困難になってしまったのだそうです。人間が自然をコントロールすることは難しいと思います。
地図を見ると火事はほぼ円形に拡がって、サンガブリエル山脈の反対側にまで及んでいます。火災地域の半径が時間に比例して拡がるとすると、前線の長さも時間に比例して増加するので、消火作業が困難になります。民家の近くやウイルソン山の頂上などの重要な地帯を保護する以外には、天候の変化などによる自然鎮火に頼るしかないのかもしれません。
by planckscale
| 2009-09-02 17:23









