2009年 10月 29日
ルビンの壺 |
昨日は強い風が吹いていたので、今朝起きたら道のあちらこちらにヤシの木の葉がたくさん落ちていました。短いものでも人の背の高さぐらいあるので、これが10メートルぐらい上から落ちてくるとかなり危険です。昨晩は、フランスからのお客さんとパサデナの繁華街におすしを食べに行きましたが、強風のためか、それとも不景気のためか、人通りがすくないようでした。おすし屋さんのネタの種類も寂しかったような気がしましたが、これは最近日本に行く機会が増えて、日本食に不自由しなくなったからかもしれません。今日のニューヨーク・タイムズ紙の「ダイニング&ワイン」のセクションには、ナパ・バレーの有名なレストラン「フレンチ・ランドリー」の経営者のトーマス・ケラーさんが、お父さんの最後の晩餐をしてあげた記事が載っていました。ケラーさんは、ご両親の離婚から長い間お父さんと疎遠だったそうですが、最近和解してナパ・バレーに一緒にお住まいだったそうです。お父さんを看取ることで、自分が人生で何がしたかったのかを考える機会になったとのことです。「ダイニング&ワイン」のセクションにしては、しんみりとした話でした。
IPMUは2年前に、文部科学省の世界トップレベル研究拠点の1つとして東京大学に設置されました。研究所の広報のために、年に4回、IPMU Newsを発行しています。私は今期号の、特集記事を担当しました。超弦理論の最新の研究について報告せよということなので、重力のホログラフィー理論(AdS/CFT対応)について書きました。ホログラフィーとは、レーザー光を使って立体像を平らな面に記録する方法を指しますが、超弦理論ではこの用語を借用して、量子重力の特別な性質を表現するのに使っています。編集長からのご依頼には、「対象読者層は文科系の大学生程度をお考えください」とありましたので、式を使うことはもちろん、理科系の大学生なら常識になっている相対論や量子力学の知識もないものとして書かなければいけませんでした。
そこでたとえとして、ルービンの壺の絵を使いました。上の絵では、白いところに着目すると壺があるように、黒いところに着目すると2人が向かい合っているように見えますが、どちらの解釈が正しいということはありません。これを例として、重力のホログラフィー理論でも2つの一見矛盾したような解釈が両立しているということを説明しました。お読みいただけるとうれしいです。記事はこちらにあります。⇒ http://www.ipmu.jp/
原稿を書いてから、元文系大学生の人に読んでもらったところ、「えらい難しいこと、したはんのやね」といわれました。京都弁をごぞんじの方なら、ほめ言葉ではないことがわかると思います。orz
向かい合った2人が最初に見えた人は、ここを押してみてください。
白い壺が最初に見えた人は、ここを押してみてください。
by planckscale
| 2009-10-29 12:35









