2009年 10月 30日
その後のニュートン |
今日は、日本の学術振興会で科学研究費補助金を担当されている方々が研究室を訪問されました。日米の研究環境の違いなどについて調査されていらっしゃるそうで、1時間ほどお話しました。熱心な質問を受け、時間が足りなくなるほどでした。調査の成果が生かされるとよいと思います。今日のコロキウムでは、『プリンキピア』を出版した後、ケンブリッジ大学のルーカス教授職を辞めて、ロンドンで造幣局長官となったアイザック・ニュートンの活躍について、MITの教授で著述家のトーマス・レベンソンさんが話されました。当時はフランスとの戦争で英国の財政が疲弊していたうえに、英国の金と銀の換算比が大陸のそれと異なっていたために銀が大量に流出するという問題が起きて、英国は深刻な金融危機に直面していました。そこで、ニュートンは金と銀の新しい換算比を勧告したり、貨幣の改鋳に取り組んだりしたそうです。また、当時は贋金作りが横行していて、英国の貨幣が信頼されない原因にもなったいたので、贋金作りの取り締まりもしたそうです。物理学のコロキウムとしては異色でしたが、興味深いエピソードが満載の話でした。
そういえば、理論物理学の大学院を出てから、ウォール・ストリートに転進して金融工学で働く人はよくいます。Quantitative Financeを縮めてQuantと呼ばれたりすることもあるそうです。しばらく前に、エマニュエル・ダーマンさんの"My Life as a Quant"という体験談を読んだことがあります。日本語にも翻訳されているようですね。理論物理学で鍛えた数理的能力や、物事を最も基礎のところまで突き詰めて考えるという姿勢が金融工学でも有用だと聞いています。
ニュートンはQuantの元祖といえるかもしれません。
今日と明日は、奈良の西大和学園の中学3年生がCaltechを訪問しています。理科系の生徒なので、米国で研究している人に会いたいという要望でしたが、今日は私の授業と重なったので、大学院生の山崎さんに代わりに講演をしてもらいました。私も授業が終わってから少しだけ顔を出したら、山崎さんが学生の熱心な質問に次々と答えているところでした。山崎さんありがとう。明日は私が講演をします。
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by planckscale
| 2009-10-30 12:40









