2009年 11月 05日
理科教育とホログラフィー |
私の子供の学校はCaltechのとなりにあるので、Caltechの先生の子供もたくさん通っています。理科系の大学の先生なので、どうしても学校の理科教育にちょっかいをだしたくなります。というわけで、今日はそのような先生の会合がありました。米国では日本のように全国一律の指導要領があるわけではなく、連邦政府や州ごとの基準はあるもののそれは最低限度で、学校ごとの裁量の余地が大きくあります。このため、シンガポール式算数を試すというような実験ができる代わりに、科目によっては注意をしていないとレベルが下がってしまうおそれもあります。
せっかくCaltechがとなりにあるので、理科教育でなにか手助けをしてあげようという集まりでした。たとえば、Caltech Classroom Connectionというグループがあって、ハワード・ヒューズ医学研究所の援助で、Caltechのボランティアがパサデナ地域の学校に出張して、理科の先生の実験を手伝ったり、新しい教材を作るのを助けたりしています。算数では、シンガポール式がうまくいっているようなので、理科の教育も改善されるように協力したいと思います。
今日は、京都大学の中村真さんとCaltechの学生のチャンスン・パークさんと一緒に書いた論文がE-プリント・アーカイブに掲載されました。お読みいただけるとうれしいです。⇒ arXiv:0911.0679
この研究は、昨年の9月にIPMUで飯塚則裕さんの尽力で開催できた、量子ブラックホールのフォーカス・ウィークから始まりました。橋本幸士さんのホログラフィックな核物理学の講演に触発されて、バリオン密度が有限の系のホログラフィックな記述を理解したいものだと中村さんと議論を始めました。橋本さんの講演を聞いた帰りに、秋葉原の喫茶店で中村さんと話し込んだこともよい思い出です。
その後、私がIPMUに行くたびに中村さんが京都から出張して来てくださって、熱心に議論に付き合ってくださいました。終盤になって、超重力理論の解き方に詳しいパークさんを共同研究者に加えることを快く了承してくださったことにも感謝します。また、パークさんもそれに応えてよくやってくれたと思います。
私としては、とても満足できる論文となりました。中村さん、1年以上の共同研究に付き合ってくださりありがとうございました。おかげで、いろいろ勉強になりました。
by planckscale
| 2009-11-05 13:38









