2009年 11月 23日
先端物理学国際講義 |

私は来年度の秋学期と冬学期に、東京大学とCaltechで同時に、大学院と学部の共通講義「 先端物理学国際講義 I 」を担当することになりました。今月の東京大学の物理学専攻会議で承認されて、先週末に必要な書類を専攻の事務に提出しました。I というのは最初の試みということで、これがうまくいけば国際講義を増やしていこうということなのだそうです。
東京大学の物理学教室の先生方から、21世紀の物理学のために「物理数学」の上級編をIPMUの研究者に教えてもらえないかという話があって、では私がやりましょうということになりました。専攻事務に提出した書類では、「素粒子物理学や物性物理学に使われる現代数学の手法、特に幾何学的方法を学ぶ」としました。前半では微分位相幾何学の入門からはじめて、超対称性を持つ量子力学を使った指数定理の証明を目標とします。後半では場の量子論の幾何学的手法の講義をする予定です。
東京大学とCaltech を最新鋭のビデオ会議施設でつないで講義をする予定です。太平洋をはさんで、制度の違う2つの大学で同時に講義を行うので、調整に手間がかかりました。
東京大学の講義は週に1回1時間30分なのに、Caltechの講義は週に3時間(1時間の講義を3回か、1時間30分の講義を2回)が標準なので、これをどうするかが最初の問題でした。東京大学の先生方はCaltechにあわせてもよいと言ってくださったのですが、他の講義から突出するのもよくないと思い、Caltechの教務の先生に相談してみました。すると、Caltechが期待するレベルの講義であれば、週1回の1時間30分でもかまわないと言う柔軟な反応だったので、これは東京大学の時間割にあわせることにしました。
米国の標準時(いわゆる冬時間)では東京とカリフォルニアの時差は7時間なので、東京大学で午前中の早い時間、Caltechでは夕方近くに講義を行うつもりでいました。たとえば、東京の午前9時はカリフォルニアの午後4時になります。ところがCaltechでは、午後4時から6時までは、学生が体育の授業を取ったり部活動に参加できるように授業をしないようにしているのだそうです。Caltechの教務の先生がこれだけは譲れないとおっしゃるので、困ったなと思っていたら、「それなら、夕食後に講義をしたらよいではないか」と言われました。Caltechではほとんどすべての学生が寮生活をしているので、夕食後に授業をするのは一向に構わないとのことでした。そこで東京大学で午後1時から、Caltechでは午後8時(夏時間では午後9時)からの講義ということになりました。
東京大学とCaltechの両方でティーチング・アシスタント(TA)を付けていただけるので、ビデオ・カメラの遠隔操作などもお願いできます。私自身は、東京大学とCaltechを往ったり来たりしながら教えることになると思います。うまくいけば東京大学とCaltechの学生の交流もできるので楽しみです。両方の大学の学生にとって、よい機会になると思います。
by planckscale
| 2009-11-23 16:50









