2009年 12月 26日
クリスマス と 若手研究者支援 |
今日はクリスマスですが、朝からレビュー論文の原稿を推敲していました。4半世紀前から使っている"The Elements of Style"に、またお世話になりました。午後には親しい方々をお呼びして、楽しいパーティをしました。いろいろ面白いお話をお聞きしました。
日本では、2010-2011年度の予算が閣議決定されたそうで、予算案を財務省のウェブページで見ることができます。⇒ http://www.mof.go.jp/
このような書類の読み方はよく知らないのですが、事業仕分けで若手研究者の失業対策と呼ばれ、縮減と判定された特別研究員事業の予算が、昨年度予算より2.6パーセント増(概算要求からは1.7パーセント減)となっているのはうれしいニュースのように見えます。
今回の事業仕分けの経緯を見て感じたことは、科学者もなぜ税金を使って研究をする必要があるのかをきちんと説明しなくてはいけないということでした。私が米国で所属しているCaltechは私立大学なので、篤志家の方々に研究の意義を説明する機会がよくありますが、知りたいから研究するというだけでなく、その知識がどのようにこの世界に貢献するのかを聞かれます。ご自分の財布を開く方々なので、その使途については厳しいものがあります。国家予算から研究費をいただく場合には、国民全体が篤志家のようなものなので、基礎科学の研究が国民にどのような利益をもたらすのかを説明できないといけないと思います。
私が文部科学省の意見募集に応えて中川副大臣と後藤政務官に書いた手紙では、基礎科学の研究が日本の科学技術のブランド力を高めて先端技術の輸出増につながるということを述べました。基礎科学から応用へ続く研究体制が、科学技術の体力維持のために重要なことも強調されるべきことだと思います。
量子力学が半導体産業に基礎になっていることをはじめ、シュレディンガーの理論物理学的考察がDNAの構造の発見を触発したとか、アインシュタインの相対性理論がカーナビゲーションに応用されている、整数論のような数学の基礎の研究が米国国防相の支援を受けているなどの基礎研究の社会への還元の例を、系統的に集めることもよいことだと思います。
クリスマスというのに、堅い話になりました。
by planckscale
| 2009-12-26 16:39









