2010年 01月 24日
アンドリュー・ラングさん |
パサデナに帰ってきました。日本時間で土曜日の朝に成田空港に向かう前に荷造りをしていたら、Caltechから突然連絡があって、あと1時間で(カリフォルニア時間で金曜日の午後に)緊急の教授会が招集されるので電話会議で出席するようにとの知らせでした。何事かとおもって電話をすると、Caltechの学長から、先週まで物理学・数学・天文学部門の部門長をされていたアンドリュー・ラング教授がお亡くなりになったとのお話がありました。
ラングさんは著名な宇宙物理学者でした。1997-2003年に行われたBOOMERanG実験では主任研究者を務められ、宇宙のマイクロ波背景輻射の揺らぎの精密観測を行いました。左の写真は、南極大陸で気球に搭載された天体望遠鏡が打ち上げられているところです。ラングさんたちの観測結果により、宇宙が幾何学的に平坦であることが示され、暗黒エネルギーの存在が確認されました。さらに、この結果はインフレーション宇宙論の重要な証拠ともなりました。
また昨年の5月に打ち上げられたプランク衛星実験にも参加されていました。プランク衛星は無事ラグランジュ点に到達し、観測を開始したところでした。ラングさんがその結果を見ることができないのは残念なことです。
Caltechの部門長としても行政手腕を振るわれ、皆から信頼されていました。
科学にとっても、Caltechにとっても、大変な損失です。同僚としても尊敬できる人でした。ご冥福をお祈りいたします。
by planckscale
| 2010-01-24 06:46









