2010年 03月 03日
ブラックホールと学生寮 |
今朝は、Caltechに滞在中のドン・ザギエさんのセミナーに行きました。ザギエさんは整数論の大家で、ボンのマックス・プランク数学研究所の所長とパリのコレージュ・ド・フランスの教授を兼任されています。セミナーのタイトルは「ブラックホールとモック・モジュラー形式」。講演の最初の1/3ほどは、この写真の黒板にも写っているように、超弦理論のコンパクト化やBPS状態、AdS/CFT対応などの話で、超弦理論も数学に浸透したものだと思いました。
ザギエさんがアイヒラーさんと研究されたヤコビ形式の解説に時間が取られて、本題のブラックホールの量子状態とモック・モジュラー形式の関係の話は最後の15分ぐらいでした。
お昼は学部生との昼食会に呼ばれていたので、講演の終わる前に抜け出さなくてはいけませんでした。Caltechには8つの学生寮があって、以前にブラッカー・ハウスとエイブリー・ハウスのディナーに呼ばれた話を書きましたが、今日はリッケット・ハウスの昼食会でした。米国のいろいろな大学で大学院の入試合格発表があったばかりなので、どの大学に行ったらよいか、今後数年間の物理学の動向はどうか、などの話が中心でした。
昼食会の後は、私の大学院生のジョンウォン・ソンさんの博士候補者資格試験の口頭試問。以前、チューダー・ディモフテさんの資格試験について書きました。ディモフテさんは、ケンブリッジ大学のフェローとプリンストンの高等研究所のフェローに選ばれて、来月には博士号審査があります。
夕方には、ドン・ザギエさんの学部学生向けの講演がありました。『ゼータ函数、周期、ディオファントス方程式』と題した講演では、ゼータ函数の特殊値に関する初等的な話から語り起こし、ミレニアム問題でもあるバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想に関するご自分のお仕事にもふれられました。いろいろなレベルの人がそれぞれ楽しめるすばらしい講演でした。
今日は忙しい一日でしたが、行事の合間には共同研究者とも議論をすることができました。
夜は明日の講義の準備と今週の宿題を考えて、残った時間で少し研究もしました。
by planckscale
| 2010-03-03 16:12









