2010年 06月 25日
最後のシュパーゲルと超伝導模型の安定性 |
ベルリン滞在中は春の白アスパラガス(シュパーゲル)を堪能しましたが、今日で最後です。ドイツでは、6月24日の聖ヨハネ祭が最後の収穫日と決まっているそうで、明日からは来年までドイツの新鮮な白アスパラガスは手に入りません。今日の夕食では最後の白アスパラガスをいただきました。さて、先週発表された南カリフォルニア大学のニック・ワーナーさんたちの論文について書きます。最近、AdS/CFT対応を物性理論の強結合問題、たとえば高温超伝導のなぞを解くのに使う試みが盛んに行われています。IPMUでも、この2月に、この方面の発展を中心とした国際研究集会を開催しました。
こうした研究では、AdS側の重力理論の運動方程式を仮定して解析する、いわゆる現象論的アプローチがよく使われます。しかし、このようなアプローチには限界があり、運動方程式を超弦理論の基本原理から導出することが望まれています。
昨年の夏には、2つのグループが、AdS/物性対応に使われる現象論的運動方程式を、超弦理論から導出したとする論文を発表しました。これは重要な発展で、これらの論文が正しければ、AdS/CFT対応で予言される量子相転移現象を起す場の量子論が微視的に決定されたことになります。
ワーナーさんたちの先週の論文は、これらの構成の多くのものに問題があることを指摘しました。上記の論文では、4次元の運動方程式の任意の解から10次元や11次元の超重力理論の解を作ることができることを示したのですが、解の安定性については4次元の運動方程式の範囲に限って確認していました。ワーナーさんたちの論文は、これらの解の多くについて、4次元の運動方程式に含まれていない方向に不安定なモードがあることを示したものです。
超対称性のある解では安定性が保証されていますが、そうでない場合に解が安定であることを示すのはなかなか大変のようです。
今日は帰宅してからCaltechとビデオ会議があり、その後でワールドカップの日本対デンマークの試合を観ました。日本チームの決勝リーグ進出はすばらしいです。おめでとうございます。来週から米国なので、テレビでワールドカップが視れるかどうか。
by planckscale
| 2010-06-25 04:47









