2010年 07月 30日
年次報告 |
アスペンの物理学センターに行ったら、コーヒー・テーブルの上にIPMUの2009年度年次報告書が置いてありました。アスペンにもちゃんと届いているのですね。私もリサーチ・ハイライトの章に、トポロジカルな弦理論の研究の進展について報告を書きました。このほか、高柳匡さんの物性物理学のトポロジカルな絶縁体を超弦理論で理解する話、向山信治さんの超弦理論ではない重力理論を使った宇宙論の話も掲載されています。と、書いていて気がついたのですが、この報告書では執筆者名が表示されていませんね。こちらからご覧ください。⇒http://www.ipmu.jp
IPMUと言えば、高柳匡さんと笠真生さんが、物性理論におけるトポロジカルな絶縁体や超伝導体の分類と、超弦理論のDブレーンの分類の間に、一対一の対応関係をつけた論文を発表なさっています(⇒http://arxiv.org)。 どちらの分類も数学のK理論と関係があることは知られていましたが、このようにきちんと対応がついたのはすばらしいと思います。超弦理論を使った物性問題の解決にも役立つかもしれません。2月にIPMUで行ったフォーカス・ウィークのときにも思いましたが、こうした素粒子論と物性理論の連携がますます発展するとよいと思います。
さて、楽しかったアスペンの滞在も明日までです。超弦理論のワークショップは先週で終わったので、今週はゆっくり研究ができて、新しい道も開けてきたように思います。また、ミュンヘンの夏の学校での講義の準備や、依頼されていた解説原稿の執筆も進みました。
一昨日はハリス・コンサートホールでバイオリンのリサイタル、昨日はミュージック・テントでベートーベンの交響曲7番などを聴きました。今晩はこれから音楽学校に行って、学生さんたちの演奏を聴く予定です。音楽を聴いていると、その日に計算していた結果が頭の中で整理されて、新しい考えを思いつくことがあります。今晩も何かよいアイデアが浮かぶとよいのですが。
by planckscale
| 2010-07-30 10:54









