2010年 11月 10日
コンサート・ホールの科学 |

ウィーンの楽友協会ホールやボストン交響楽団ホールから現在計画中のホールにいたる例を使って、ホールの形が残響音にどのような影響を与えるのかといった工学的な問題や、建築家との共同作業のあり方など、音響設計の様々な側面についてお話をされました。質疑応答も活発で、たとえばコントラバスの学生からは、楽器を弾く時の台をどのように設定したらよい音が響くのかよいかという質問が出ていました。このような問題についても深くお考えになっていらっしゃるようで、詳しいお答えがありました。
講演の後に、さらにお話をお聞きする機会がありました。
マイアミの音楽学校で建築途中のホールでは、インターネット2をつかって、ヨーロッパの先生から直接指導を受けたり、遠隔地のオーケストラと合奏できる仕組みになっているのだそうです。ちょうど私は、東京大学とCaltechで合同で「先端物理学国際講義」を行っているので、この方面のご意見をお聞きできたのはありがたいことでした。
また、最近はCDプレイヤーなどで家庭でも臨場感のある音楽が聞けるので、純粋に音楽を聴くこと以上に、コンサートに行く体験をどのように豊かにするべきかとのお話は特に興味深いものでした。


by planckscale
| 2010-11-10 12:12