2011年 04月 17日
風力発電、太陽光発電 |

木曜日のコロキウムは、Caltechの工学部教授のジョン・ダビリさんのお話でした。ダビリさんは生物工学がご専門で、生物の動きに学んで、新しい工学機構を開発されています。今回は、魚群の動きの研究から、風力発電の効率を画期的に向上する方法を開発したという話でした。
福島原発の事故によって原子力発電の将来が不透明になっている一方、化石燃料を燃やす火力発電にもいつまで頼れるかわからないので、タイムリーな話題でした。
現在の風力発電の技術では、1平方メートルあたりおよそ2ワットの電力が得られるそうです。原子力発電所1基が100万キロワットの出力を持つとすると、風力でもってこれに相当するを電力で得るには500平方キロメートルの土地が必要になります。東京23区は620平方キロメートルですから、およそこれに匹敵します。
さらに、日本全体のピーク時の電力消費量は約2億キロワットだそうなので、これをすべて風力でまかなうには、約10万平方キロメートル。これは日本の国土の約4分の1に相当します。
ダビリさんは、垂直型の風車を回転方向が逆になるように巧妙に設置すると、風車全体の効率を10倍にできることを実験で示しました。これが実用化されれば、1平方メートルあたり20ワット。日本でも、国土の40分の1を使った風力発電で、ピーク時の電力をすべてまかなえることになります。
この場合には、ピーク時の電力をすべて風力でまかなうために必要な面積は約1万平方キロメートル。関東平野の6割に当たる面積です。
では、太陽光発電はどうでしょうか。最も条件がよいときに、地上に降り注ぐ太陽の光は1平方メートルあたり1000ワットだそうです。現在の太陽パネルが1割の効率だとすると、100ワット。
夜は発電できないので、平均して1平方メートルあたり20ワットとしましょうか。これはダビリさんが開発している風力発電の効率と同じなので、日本全体のピーク時の電力をまかなうためには、やはり関東平野の6割ぐらいの面積の太陽パネルが必要になることがわかります。
電気は貯めにくいので、発電量が天候に左右されることも問題になります。
地球上にあるエネルギーは、太陽光か地下の核エネルギーに由来します。太陽光を最大限電力に変換しても1平方メートルあたり1000ワットがなので、現在の効率の10倍が限度です。(もう少しきちんと考えると、理論的にももっと低い上限があたえられると思います。)
人類がこれから数千年以上にわたって繁栄するためには、再生可能な発電技術の向上とともに、限られたエネルギーでどのように文明を維持できるかを考える必要があると思います。
by planckscale
| 2011-04-17 14:52









