2011年 07月 23日
ヒッグス粒子 |
水曜日の夜にワシントンDCに行って、木曜日は朝からエネルギー省で会議。夕方の飛行機でアスペンに帰ってきました。
木曜日にはグルノーブルでヨーロッパのEurophysics高エネルギー物理学会議(EPS)が始まって、金曜日にはLHC実験の2つのグループ、ATLASとCMSのヒッグス粒子探索の報告がありました。
http://blog.vixra.org/に、実験結果をまとめたわかりやすい図があったので、お借りして下に貼ります。
これまで世界最高エネルギーの加速器だったFermilabのテバトロン実験では、ヒッグス粒子は155ー175GeVの質量にはないことがわかっていました。(1 GeVはおよそ陽子の質量です。)
また、その以前のCERNのLEP実験から、115GeV以下の領域も排除されていました。
LHCの2つの実験グループは、この領域を広げて、300-450GeVの範囲にはありそうにないことを示しました。(「ありそうもない」という言い方はあいまいですが、統計解析による結果なので、100%確実とはいえません。)
上の図で、色のついているとことが、これまでの実験でヒッグス粒子がいないことがわかった領域です。
このほかに、素粒子の標準模型の理論的な解析から、ヒッグス粒子の質量は800GeV以下でなければいけないこともわかっています。
ヒッグス粒子、追いつめられてきましたね。
さらにおもしろいことには、ALTASとCMSの両方の実験が、120-150 GeVの領域に、ヒッグス粒子が関連しているらしい現象を観測したと報告しています。まだ統計精度が高くないので、確実とはいえませんが、2つの実験が同時に同じ領域にヒッグス粒子らしいものを見つけたというのは、注目に値します。
LHC実験がさらにデータを集めて、統計精度を上げていけば、今年の終わりまでにはヒッグス粒子探索から重要な結果が得られることになるかもしれません。
木曜日にはグルノーブルでヨーロッパのEurophysics高エネルギー物理学会議(EPS)が始まって、金曜日にはLHC実験の2つのグループ、ATLASとCMSのヒッグス粒子探索の報告がありました。
http://blog.vixra.org/に、実験結果をまとめたわかりやすい図があったので、お借りして下に貼ります。
これまで世界最高エネルギーの加速器だったFermilabのテバトロン実験では、ヒッグス粒子は155ー175GeVの質量にはないことがわかっていました。(1 GeVはおよそ陽子の質量です。)
また、その以前のCERNのLEP実験から、115GeV以下の領域も排除されていました。
LHCの2つの実験グループは、この領域を広げて、300-450GeVの範囲にはありそうにないことを示しました。(「ありそうもない」という言い方はあいまいですが、統計解析による結果なので、100%確実とはいえません。)
上の図で、色のついているとことが、これまでの実験でヒッグス粒子がいないことがわかった領域です。
このほかに、素粒子の標準模型の理論的な解析から、ヒッグス粒子の質量は800GeV以下でなければいけないこともわかっています。
ヒッグス粒子、追いつめられてきましたね。
さらにおもしろいことには、ALTASとCMSの両方の実験が、120-150 GeVの領域に、ヒッグス粒子が関連しているらしい現象を観測したと報告しています。まだ統計精度が高くないので、確実とはいえませんが、2つの実験が同時に同じ領域にヒッグス粒子らしいものを見つけたというのは、注目に値します。
LHC実験がさらにデータを集めて、統計精度を上げていけば、今年の終わりまでにはヒッグス粒子探索から重要な結果が得られることになるかもしれません。
by planckscale
| 2011-07-23 12:45