2012年 01月 02日
あけましておめでとうございます |
初詣には芝の増上寺に行きました。背景の東京タワーには「2012」のサインが光っていました。明後日からオックスフォード大学で集中講義をする予定ですが、まだ準備ができていないので、新春早々から都内の宿で缶詰状態です。
年末はクリスマスの深夜にロサンゼルスを発ち、27日の早朝に羽田着。午前中には新宿でアウトリーチの相談。そのまま和光市に向かって、理研のシンポジウムに出席しました。
「数理連携10の根本問題の発掘」と題した研究会で、経済物理、生物、物性物理など多岐に渡る講演を聞き、議論に参加しました。
私の講演は29日で、超弦理論と数学の連携についてお話しようと思ったのですが、講演者や招待討論者のリストを拝見すると、私の研究と関係の深い数学の分野の方があまりいらっしゃらないようでした。
組織委員の橋本幸士さんにご相談したところ、「むしろ超弦理論や場の量⼦論の諸科学への応⽤を模索したい」とのお応え。そこで、超弦理論のホログラフィー原理の応用に焦点を当てた講演にしたところ、幅広い分野の方々からとてもよい反応をいただき、楽しい講演になりました。
昨年はIPMUでの研究のため、日米を往復して10万マイル以上飛行機に乗りました。平均時速20キロ。また、Caltechでは物理・数学・天文部門の副部門長やアスペン物理学センターの理事としての行政上の仕事も増えました。しかし、集中して研究のことを考える時間が取れると、進歩があってもなくても、「科学者になってよかった」と思います。
昨年のことを振り返ると、東日本大震災のことを思い出さずにはいられません。被災された方々は本当にお気の毒だと思います。
震災の後には、このように浮世離れした研究をしている意味があるのだろうかと思うこともありました。しかし、科学の発展のためには、基礎から応用につながる多様なポートフォリオが重要です。
私の研究も、今すぐには世の中の役に立たないかもしれませんが、いつかきっと役に立つときが来ると思います。それは、自然法則のより深い理解から来るかもしれません。また、超弦理論の研究から生まれた新しい数学が、様々な科学技術の問題解決に思いがけない応用を持つこともありうると思います。
理研の「数理連携10の根本問題の発掘」に参加して、そのようなことを考えました。
皆さんにとって、2012年がすばらしい年でありますように。
by planckscale
| 2012-01-02 20:36









