2012年 01月 09日
日英数学冬の学校 |
「日英数学冬の学校」で講義をするためにオックスフォード大学に来ています。この学校は、日本と英国の数学者が共同で行っている事業で、今年で13回目になります。主として大学院生を対象にしたもので、講義に出席して勉強するとともに、日本と英国の若い学生が知り合いになれるよい機会だと思います。
毎年テーマを決めて開かれ、これまでは純粋数学の分野からテーマが選ばれてきましたが、今年は超弦理論に関係する数学をテーマにしたそうで、私も連続講義の依頼をいただきました。
クラレンドン研究所の講義室の黒板には感心しました。黒板が縦につながっていて、ベルトコンベアのようにぐるぐる回って、黒板を1面書いて上に持ち上げると、下から新しいのが出てきます。1列に9面。これが4列あって、全部で36面です。裏でメビウスの帯のようになっていたら、さらに倍の72面使えますね。
昨日の講義では、4×6=24面使いました。
「トポロジカルな弦理論」についてお話しました。昨年のミュンヘンの夏の学校での講義に、さらに最近の発展を付け加えたものを用意していたのですが、黒板で丁寧に説明していたら時間切れになってしまいました。それでも、用意した文を急いで話すよりも、基礎の部分をじっくり話すことができてよかったと思っています。数学と物理の学生が混ざった聴衆でしたが、よい反応がありました。一昨日はエクセター・カレッジでディナーがありました。11世紀から講義が行われていたという古い大学だけあって、とても立派な建物です。
大学付属の科学史博物館には、アインシュタインが1931年に講義をした黒板が保存されていました。膨張宇宙模型によって宇宙の年齢を計算しているもののように見えます。ハッブルの法則の発見が1929年ですから、1931年にはアインシュタインも宇宙膨張を認めていたのですね。ところで、これを書いている間に連絡があって、今年度の素粒子メダル奨励賞の受賞者は、伊部昌宏さん、北野龍一郎さん、吉田健太郎さんだそうです。おめでとうございます。
by planckscale
| 2012-01-09 01:22









