2012年 03月 30日
N=4 SYM, 1日目 |

超対称性を持つ場の量子論の性質は、1980年代のはじめごろから研究が始まり、多くの重要な結果が得られてきました。
そのなかでも、4次元で一番大きな超対称性をもつN=4超ヤン‐ミルズ理論(N=4 SYM)は、超弦理論の発展においても重要な役割を果たしてきました。たとえば、1990年代前半のS-双対性の研究は1995年の「第二次超弦理論革命」のまえぶれの一つでしたし、またAdS/CFT対応の最初の例も、N=4 SYMに関するものでした。
最近では、可積分系との関係、またツイスター空間やグラスマニアン空間を使った摂動計算の新しい方法など、様々な深い構造が明らかになっています。
今年は、ジョン・シュワルツさん、ラース・ブリンクさん、ジョエル・シャークさんがこのN=4SYMが発表されてから35周年になるので、今日からCaltechでこれを記念する国際会議が開かれています。
今日は、ブリンクさんによるN=4 SYM発見の歴史的経緯についての講演の後、クリフォード・チュンさんとリサ・ランダルさん(日本ではランドールさんと呼ばれています)によるLHC実験、とくにヒッグス粒子の質量が125GeV程度だった場合に標準模型を超える物理に何が期待できるかの話。その後は、N=4 SYMの摂動計算の新しい方法についての話が続きました。
講演者の写真を上に載せましたが、最後の講演者のネーサン・ベルコビッツさんの写真を撮り忘れていました。
夕方には、昨夏に改装した素粒子論研究室のお披露目もかねて、レセプションが開かれました。
私は、エドワード・ウィッテンさんに、最近研究されている超弦理論の摂動計算についてじっくり説明していただきました。いたるところに黒板があるので、立ち話をしていてもすぐに式を書いて話ができるので便利です。超リーマン面のモジュライ空間の構造や摂動計算の有限性について、1980年代以来懸案になっていたことが、明快に説明されてとてもすっきりしました。

by planckscale
| 2012-03-30 14:04









