2012年 04月 25日
サイモンズ・シンポジウム 1日目、2日目 |
昨日の最初の講演者は、結び目のホモロジーを導入されたコバノフさんで、今回のシンポジウムのテーマを数学者の立場から概説されました。コバノフさんのお話を直接聞いたのは初めてですが、わかりやすい解説で私にはとても勉強になりました。「トポロジカルな場の量子論」の道具が、数学で自然に使われている様子に感心しました。
ところで、数学者はいまでも黒板を使った講演をする人が多く、コバノフさんの講演もそうでした。リゾート・ホテルには黒板は常備されていなので、ニューヨークのサイモンズ財団本部から大きな黒板を3つ運んで、チョークも持ってきたのだそうです。
右の写真が会場に運ばれたチョーク。日本の理化学工業の製品です。米国の数学者の間では、日本のチョークの品質の評判が高く、日本に旅行した帰りにスーツケースに沢山お土産に持ち帰る人もいるそうです。「京大の数理研で使われているチョークを使うと、間違った定理を書くことはできない」とも伝えられているらしい(真偽不詳ですが)。今朝は、私が物理学者の立場からシンポジウムのテーマを概説するようにと依頼されて、最初の講演をしました。
午前の最後のバッファさんの講演には驚きました。一つのカラビ・ヤウ多様体には、そのミラー多様体が一つ決まると思っていたのですが、実は無限個のミラーがあるというのです。
ストロミンジャー・ヤウ・ザスロウ(SYZ)予想というのがあって、複素3次元のカラビ・ヤウ多様体の中に実3次元のトーラスを考えて、その上に置いたDブレーンの配意空間を考えると、それがミラー多様体になるというものです。
ところが、このトーラスのとり方に実はいろいろな選択肢がある。たとえば、一昨日のブログで、「BPS状態」が結び目の情報を持っているという話をしましたが、このときに使うDブレーンの配意もトーラスのある極限と考えることができます。そうすると、一つの結び目に対して、対応するDブレーンを考えて、その配意空間から新しいミラー多様体ができるというわけです。
午後に少し時間があったので浜辺に行ったら、バッファさんとお会いしたので、近くのさんご礁のまで一緒に泳いでみました。途中でダイグラーフさんと合流して、1時間ほど水泳。帰りには海がめを2頭見ました。
by planckscale
| 2012-04-25 10:51









