2012年 07月 08日
ヒッグス粒子とみられる新粒子の発見 |
7月4日のCERNの発表は、質量が125GeV前後の新しいボゾン粒子が発見されたというものでした。私が滞在しているアスペン物理学センターでも、コロラド時間の午前1時に30人近い物理学者が講義室に集まり、セミナーを視聴しました。ニューヨーク・タイムズ紙のデニス・オーバービーさんもいらして、午前4時まで残って記事をまとめていらっしゃいました。オーバービーさんの記事は、翌日の第1面に掲載されていました。
また2日後の7月6日には、この発表についての講演会を行いました。一般の人の興味も非常に高いようで、講義室が超満員になりました。上の写真は、この講演会の様子です。
今回の発表の分析とその意義について、ここに書こうと思ったのですが、この話題について岩波の雑誌『科学』から「科学時評」を書くように依頼を受けたので、詳しいことはそちらに書きました。編集部からのご依頼は、「ヒッグス機構のもつ意味について、標準理論と宇宙論との関わりをふくめて」ということでしたので、その線に沿ったものにしましたが、今回の実験の分析も記事に含めました。
今月末に刊行予定の『科学』8月号の冒頭に、3ページで掲載されますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
この新粒子がヒッグス粒子であった場合には、素粒子の標準模型の予言する素粒子がすべて発見されたことになります。標準模型は、20世紀物理学の主要なアイデアである特殊相対論、量子力学、ゲージ理論、対称性とその自発的破れなどが緻密に組み合わされた、人類の知の最高傑作のひとつです。この理論の構築に関わった理論物理学者、LHCに至る数多くの実験で標準模型の検証と確立に関わってきた実験物理学者や技術者の皆さんに、心からお祝いを申し上げます。
by planckscale
| 2012-07-08 08:30









