2012年 07月 25日
サイモンズ研究賞 |
2ヶ月ぐらい前に、大学のオフィスで研究をしているときに、サイモンズ財団の物理部門を統括されているアンドリュー・ミリスさんから突然電話があり、第1回のサイモンズ研究賞の受賞者に選ばれたことを連絡されました。今日(7月24日)のニューヨークタイムズ紙に、授賞が正式に発表されました。
サイモンズ財団の発表によると、サイモンズ研究賞は「大きな業績をあげた研究者を顕彰し、基礎的な問題にじっくり取り組めるよう安定した研究資金を提供するために授与される」そうです。初年度の今年には、物理学、数学、コンピュータ科学などの幅広い分野から21名が選ばれました。
私の受賞に関する詳しい情報については、カブリIPMUとCaltechのプレスリリースをご覧ください。
⇒ カブリIPMUプレスリリース
⇒ Caltechのプレスリリース
また、サイモンズ財団からの発表は、こちらから見ることができます。
⇒ サイモンズ財団のウェブサイト
サイモンズ財団はジェームズ・サイモンズさんご夫妻が20年ほど前に設立された財団で、数学と基礎科学の研究を支援してくださっています。私の研究分野では、ストーニーブルック大学にサイモンズ幾何学‐物理学センターを設立されたり、サイモンズ・シンポジウムを開催されたりしています。⇒ サイモンズ・センターを訪問したときのブログ記事
⇒ サイモンズ・シンポジウムに参加したときの記事:
0日目、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目
ジェームズ・サイモンズさんは、もともとは数学者で、特に幾何学の分野で大きな業績をあげられ、高次元の極小局面の研究に対して、アメリカ数学会のベブレン賞を受賞されています。また、ヤン‐ミルズ理論を提案した理論物理学者楊振寧(ヤン・ジェンニーン)さんと交流し、ヤン‐ミルズ理論の幾何学的意味を明らかにされたことは、その後の数理物理学の発展に大きな影響を与えました。
ストーニーブルック大学の数学教室主任教授も勤められましたが、金融業界に転進され、1982年にはヘッジファンド会社「ルネサンス・テクノロジー」を設立され、こちらでも大きな成功をされたことはよく知られています。この会社は、現在では280億ドル以上の資産を持つ、世界最大のヘッジ・ファンド会社のひとつです。
カブリIPMUとCaltechのプレスリリースのために、私の談話を依頼されたので、このような文章を書きました。
「湯川秀樹先生がおっしゃったように、未知の世界を探求する人々は、地図を持たない旅人です。はるかな国からすばらしい発見を持ち帰るためには、長期の展望にたってリスクを取らないといけません。サイモンズ賞の安定した研究資金は、受賞者の私たちがそのような長い旅に向かうことを可能にしてくれました。期待に応えられるようにさらに努力します。」
今回の授賞の目的に、「基礎的な問題にじっくり取り組めるよう安定した研究資金を提供するために」とありますので、しっかり研究しなさいというメッセージだと思います。今回の受賞を励みに、さらに研究に精進いたします。ありがとうございました。
by planckscale
| 2012-07-25 01:16









