2012年 07月 26日
Strings 2012:2日目、3日目 |
昨日は、マティアス・ガバディエルさんやフアン・マルダセナさんによるバシリエフ理論を使ったホログラフィー原理の精密な解析、またニーマ・アルカニハメッドさんやフレディ・カチャゾさんによる4次元のN=4超対称ゲージ理論やN=8ゲージ理論の摂動計算の話が特に面白かったです。エドワード・ウィッテンさんによる超弦理論の摂動計算の有限性の話は、Caltechでこの春に開かれた会議での講演と重なっていましたが、先週のボンでの講演と合わせて、全貌がよくわかりました。
夕方には、大学に隣接した公園の中にあるレストランで、スピーカー・ディナーがありました。向かいに座っていたナティ・ザイバーグさんが撮ってくれた写真を右に貼りました。今日の午前中は、超弦理論から素粒子の標準模型を導こうという、いわゆる「超弦理論現象論」の講演がありました。
ミリアム・ツベチックさんは、F理論でインスタントン効果を計算すると、モジュライ空間でE8の構造がある点が安定になるという話をされました。以前にバッファさんたちが、この同じE8の点を使うと、トップクォークの質量がとりわけ大きい理由や小林‐益川行列、ニュートリノの混合の仕方などがうまく説明できると主張していたので、この点が選ばれることがトップダウンで説明できるのはすばらしいと思いました。
また、ララ・アンダーソンさんは、ヘテロティック弦理論のコンパクト化で、カラビ‐ヤウ多様体上のベクトル束をつかって、素粒子の標準模型に近いものを選んだり、モジュライを固定したりする方法を解説しました。
超弦理論から、実験に直接関係のある素粒子の模型を導くことはとても大切なので、この方面で着実な進歩があるのはうれしいです。
今日の午後は自由時間で、会議の主催者が3種類のツアーを用意してくれました。ノイシュバンシュタイン城のツアーをとった人が多かったようですが、私はドイツ博物館のツアーに参加しました。
ドイツ博物館は世界有数の科学博物館で、私は一昨年にマックス・プランク研究所で開かれた夏の学校に講義に来たときに訪問しましたが、そのときにとても楽しかったのでまた行くことにしました。
この記事の一番上の写真は、展示してあった蒸気機関です。どの機械もピカピカに磨かれて、きちんと動くようになっているのがすばらしい。
左の写真は、幻冬舎新書『重力とは何か』にも書いたファラデーのかご。中に人が入っているのに、落雷しても問題ありません。案内してくださった方は、欧州宇宙機関の技術者を退職された後、ドイツ博物館のガイドをされていて、船舶や航空機の解説には特に力が入っていました。
by planckscale
| 2012-07-26 06:09









