2012年 10月 01日
アインシュタイン・ペーパー・プロジェクト |
アインシュタインの著作集の13巻が発刊になったそうです。アインシュタインの著作集は、Caltechのアインシュタイン・ペーパー・プロジェクトが、プリンストン大学出版局とヘブライ大学のアインシュタイン・アーカイブと共同で行っている出版事業です。科学史の研究において最も野心的な事業と言われるこの著作集は、アインシュタイン研究の1次資料の決定版とされています。今回の13巻は1922年1月から1923年3月までに書かれたアインシュタインに関する文献を整理、分析、解釈しています。
私も、一昨年の秋に編集長のダイアン・コルモス=ブッフバルトさんに日本語の文献について相談を受け、簡単なお手伝いをしたことがあります。そのときの事情については、当時のブログ記事に書きました。
⇒ アインシュタインについての質問
コルモス=ブッフバルドさんには、今年の5月に幻冬舎新書から上梓した『重力とは何か』の執筆の際に、アインシュタインに関するさまざまな逸話の真偽についてご相談したこともあります。
今回の著作集が扱っている1922年ごろには、一般相対論の予言がエディントンの日食観測で検証されたことで、アインシュタインは著名人となっていました。
その一方で、同年の6月には、友人の外務大臣バルター・ラーテナウが極右組織暗殺され、アインシュタインも自身も、ユダヤ人科学者としてドイツにとどまることの危険を感じ始めていたようです。ベルリンから逃れるかのように、改造社の招待で日本に向かう船の上で、ノーベル賞授賞の通知を受け取ります。
アインシュタインの日本訪問がどのように扱われているかを読んでみるのも楽しみです。
アインシュタインの著作集は、完成すると全部で30巻程度になるといわれているので、まだ折り返し点にも来ていません。
話は変わりますが、今年の夏までCaltechのポストドクトラル・フェローだったクリストフ・ケラーさんと、1年がかりで行っていた研究をやっと論文にまとめることができて、先週末にプレプリント・アーカイブに発表しました。
⇒ Modular Constraints on Calabi-Yau Compactifications
この夏の間に、いろいろなところで講演をした内容ですが(たとえば、こちら)、ようやく論文にすることができてうれしいです。
by planckscale
| 2012-10-01 14:19









