2012年 11月 24日
米国の大学入試 |
11月は大学院に進学する学生や研究員に応募する大学院生、教職に応募する研究員などの推薦書を書く時期なので普通の年でも忙しいですが、今年はそれにいくつかの仕事が重なったので、師走が一ヶ月前に来たようでした。一息ついたので、ブログ記事を書いています。左の写真の説明は、後半で。
11月のはじめには、研究費申請の審査のためにワシントンDCに4日間行きました。その2週間ぐらい前から申請書を読んで採点していたのを委員会で議論して、順位をつけるのですが、米国も財政難なので科学予算が厳しい状況にあることをひしひしと感じました。
また、今年からCaltechの大学入学審査委員になったので、ワシントンDCから帰った次の日に入学応募書類の読み方の講習を受けました。
日本の大学入試は、推薦入試やAO入試などを除くと、センター試験と大学独自の二次試験の点数だけで決まります。大学ごとに試験問題を作るのは大変でしょうが、入試のあとは点数だけで自動的に合否が決まるので、客観的であるとも言えます。
これに対して、米国の大学では、高校からの推薦書、本人の書いたエッセイ、課外活動や研究の記録なども重要になります。主観の入る部分も多く、選抜のプロセスも複雑になります。そのため、学内に大きな入試管理部門があり、多くの専門職の人々を雇用しています。
米国の普通の大学では、大学入試は専門職の人に任せています。しかし、Caltechは例外的に教授の委員がこれに参加することになっていて、専門職の人と教授が協力して選抜を行います。
日本と違い大学独自の二次試験は行われないので、筆記試験は日本のセンター入試に相当するSATだけです(最近は米国市民以外にはTOEFLを課す場合もあるようですが)。Caltechで合否ライン近くでは、SATはほぼ満点、高校の成績もほとんどAの人たちばかりなので、そのほかの書類を入念に読むことが必要になります。
専門職の人が下読みをしてくれるのですが、微妙なケースが教授に回って来るので、応募書類の読み方の講習を受ける必要があったのです。今は、いわゆるアーリー・アドミッション(前期試験?)の時期で、委員の教授が応募書類を採点して、12月のはじめの会議で合否を決めることになっています。
米国と日本の入試制度については、日本でも本や雑誌などにいろいろ書かれていますが、実際に米国の大学の入試委員になってみると、言われていることとずいぶん違うこともあるようです。
守秘義務があるので具体的なことは書けませんが、別な機会に日米の入試比較などについても書いてみたいと思います。
また、2年前から行っていたCaltechの物理学・数学・天文学部門の長期戦略計画の報告書がようやくまとまり、部門長に提出しました。これが教授会で採択されれば、大学本部に提出することになります。
これに加えて、昨年から大学院生と続けていた研究プロジェクトに、大きな進展があったので、論文にすることになりました。
それだけ忙しくしてたのに、時間があると、親の敵のように映画を観ていました。自宅に大きなスクリーンとプロジェクターを買ったからでもあります。
まずは、アル・パチーノ主演の『ベニスの商人』。
アル・パチーノと言えば、これを観ない訳にはということで、『ゴッドファーザー、パート1』 と 『ゴッドファーザー、パート2』。今週末にでも『ゴッドファーザー、パート3』を観ることにしています。
007の最新作『スカイフォール』が封切りになったので、観にいきました。近年のジェームズ・ボンド映画の中では出色の出来栄えだったと思います。
今年は、ジェームズ・ボンド映画の50周年記念だそうなので、我が家でもこれを記念して第1回の映画から順番に観ていくことにしました。
第1回は、『ドクター・ノオ』。私の生まれた年に製作された映画なのに、今観ても新鮮な映画で、なぜかうれしく思いました。
『次郎、すしの夢(Jiro Dream of Sushi)』。すきやばし次郎の店主、小野二郎さんについてのドキュメンタリー映画です。私はこの夏に飛行機の中で観ましたが、家族はまだ観ていなかったので、もう一度観ました。ご本人は「二郎」さんなのに、お店の名前が「次郎」なのはなぜでしょうか。
スティーブン・スピルバーグ監督の『リンカーン』。米国の歴史の勉強でした。
11月22日は感謝祭の休日。今年は、中学生の子供が、米国の伝統的な感謝祭の夕食を、献立から調理までひとりでやってくれたので、映画はお休みでした。感謝、感謝。
その翌日は、ブラック・フライデーといって年末大安売りの初日ですが、私たちは映画館のハシゴをしました。
まずは、『アンナ・カレニーナ』。トルストイの長編小説が原作なので、2時間にまとめるのは難題ですが、斬新な演出でこれを解決していました。映画評は、この演出をよしとするかどうかで割れていましたが、私はとても楽しみました。
本日封切りの『ヒッチコック』。前評判はいまひとつでしたが、アンソニー・ホプキンスの名人芸を見るつもりで行きました。今日はニューヨークとロサンゼルスだけで、パサデナでもまだ上映されていなかったので、ハリウッドまで観にいきました。ヒッチコックの心理分析が安易なようにも思いましたが、よくできた映画でした。
左上の写真は、ハリウッドの映画館のステンドグラス。過去のジェームズ・ボンド映画のポスターのコラージュになっていて、最新作『スカイフォール』が中央に大きくあしらわれています。
さて、また推薦書を書かないと……。
by planckscale
| 2012-11-24 16:39









