2013年 01月 24日
TED×Caltech : 脳 |

TEDというのはTechnology Entertainment Designの頭文字だそうで、15分から20分ぐらいの短い、よく準備された講演が続くのが特徴です。また講演の間に音楽やダンスなども織り交ぜ、興味が持続するプログラムになっています。
Caltechでは2011年にも、ナノサイエンスを主題にしたTED×が開かれました。そのときの様子については、こちらのブログ記事をご覧ください。
⇒ TED×Caltech : ファインマンのビジョン
また昨年の5月には、東京大学でもTED×UTokyoが開かれ、私も講演をしました。そのときの様子は、こちらのブログ記事に書きました。
⇒ TED×UTokyo
TED×UTokyoでの私の講演のビデオも貼っておきます。
今回のTED×Caltechのテーマは「脳」。
最初の講演者は米国国立精神衛生研究所所長のトーマス・インセルさんでした。医療技術の発達によって、癌や心臓病などについては生存率が格段に向上しているのに、自殺で亡くなる人の数は減少していない。精神の不調を脳の問題と考えて、そのしくみの研究に取り組むことの重要性を訴えていらっしゃいました。
ナノサイエンスの技術の発達により、脳の働きがこれまでより格段に深く理解されるようになりました。脳の研究の最近の流行語は「コネクトノミックス」というそうで、これは脳神経のネットワークの理解から、脳の機能を解明しようというアプローチだそうです。
そういえば、昨年の9月のカブリ賞授賞式でも、線虫の脳細胞のネットワークをすべて解析した上で、刺激と反応の因果関係を解明したロックフェラー大学のコーネリア・バーグマンさんの講演を聞きました。
そのときのブログ記事はこちら ⇒ カブリ賞授賞式前夜祭
最近は、線虫だけではなく、人間の脳細胞のネットワークの解明も進んでいるようです。
聞きたい講演がたくさんありましたが、金曜日は超弦理論のセミナーの日で、私が興味のある曲がった空間の超対称性の話でしたので、そちらに出席したり、講演者と議論をしたりして、聞き逃したものもたくさんあります。そのうちに、ビデオがTED×Caltechのウェブサイトに掲載されるのでしょうから、そちらを見てみようと思います。
翌日は、TED×Youthのイベントもありました。
⇒ TED×Youth @ Caltechのウェブサイト
こちらは、中学生や高校生の発表が中心。週末に出張が入っていたので、残念ながら参加できませんでした。


by planckscale
| 2013-01-24 05:13