2013年 03月 29日
フレッシュマンに薦める本 |
雑誌『日経サイエンス』の5月号の書評特集「フレッシュマンのための読書ガイド」で5冊の本をお薦めしました。この特集には、実験心理学者の苧阪直行さんと気象学者の住明正さんも記事を書かれています。
私の記事の題名は「自分で考えること,伝えること」。
大学では、専門分野の基礎的知識のほかに、「自分で考える方法」と「考えたことを伝える技術」を学ぶことが特に大切だと思うので、それを鍛えるための本をご紹介しました。
1冊目は本田勝一さんの『日本語の作文技術』。事実をわかりやすく伝える方法を伝授してくれるので、実践的な作文技術を学ぶのにはよいと思いました。
2冊目は『数学入門辞典』。本当は日本が世界の誇る『数学辞典』を薦めたかったのですが、こちらは専門用語も容赦なく使われているので、同じく岩波書店から出版された『入門辞典』にしました。こちらも、執筆の先生方の数学への愛がこもった、よい本だと思います。
3冊目はガリレオ・ガリレイの『天文対話』。残念ながら、岩波文庫では品切れになっています。『日研サイエンス』の担当の編集者の方にご相談したところ、「品切れの本も1冊程度なら構わない」とのことでしたので、推薦させていただくことにしました。
念のため岩波書店に問い合わせたところ、「2年前にもアンコール復刊したところ、1年半くらいで売切れた。また時期を見て復刊と思いますが、今のところ未定」とのことでした。ぜひ復刊していただきたいと思います。
4冊目は小平桂一さんの『宇宙の果てまで―すばる大望遠鏡プロジェクト20年の軌跡』。すばる望遠鏡については、海部宣男さんの岩波新書や家正則さんの岩波ジュニア新書もすばらしい本です。
⇒ 海部さんの本は、このブログでも以前に取り上げました。
5冊目については、担当の編集者の方から「できればご自身の著作を1点入れていただきたい」とのことでしたので、拙著『強い力と弱い力』を取りあげました。伝える技術の実践としてどれだけ成功しているのか、ご批判いただきたいと思います。
責任を持ってご推薦するために、すべての本を読み直しました。
『日本語の作文技術』を読んだのは久しぶりでしたが、よい本だとあらためて思いました。例文が時代を感じさせますが。
『数学入門辞典』は東京のオフィスに置いてあったので、急遽、知り合いの岩波編集部の方に一冊カリフォルニアまで送っていただきました。もちろん私が費用を支払ったのですが、Fedexでお願いしたので、送料のほうが高くつきました。
岩波文庫の『天文対話』は品切れだったので、ガリレオ研究で有名な科学史家スティルマン・ドレイクによる英訳を読みました。右の写真に写っているのが、ドレイクの英訳本。読みやすい訳だと思いました。
ところで、週刊誌『エコノミスト』に「名門高校の校風と人脈」という記事が連載されていて、1月29日号では私の母校である岐阜高校が取り上げられていました。岐阜高校を出身した学者の紹介が、日本の近代数学の礎を築いた高木貞治さんで始まることは当然ですが、読み進んでいくと、今回の『日経サイエンス』の書評特集に寄稿されている住明正さんが、地球温暖化について研究している気象学者として紹介されていました。私の高校の先輩でいらしたのですね。
今回の『日経サイエンス』は、環境特集が「越境汚染」、天文特集が「隕石の衝撃」と、どちらもタイムリーな内容で、とても面白かったです。ぜひご覧ください。
私の記事の題名は「自分で考えること,伝えること」。
大学では、専門分野の基礎的知識のほかに、「自分で考える方法」と「考えたことを伝える技術」を学ぶことが特に大切だと思うので、それを鍛えるための本をご紹介しました。
1冊目は本田勝一さんの『日本語の作文技術』。事実をわかりやすく伝える方法を伝授してくれるので、実践的な作文技術を学ぶのにはよいと思いました。
2冊目は『数学入門辞典』。本当は日本が世界の誇る『数学辞典』を薦めたかったのですが、こちらは専門用語も容赦なく使われているので、同じく岩波書店から出版された『入門辞典』にしました。こちらも、執筆の先生方の数学への愛がこもった、よい本だと思います。
3冊目はガリレオ・ガリレイの『天文対話』。残念ながら、岩波文庫では品切れになっています。『日研サイエンス』の担当の編集者の方にご相談したところ、「品切れの本も1冊程度なら構わない」とのことでしたので、推薦させていただくことにしました。
念のため岩波書店に問い合わせたところ、「2年前にもアンコール復刊したところ、1年半くらいで売切れた。また時期を見て復刊と思いますが、今のところ未定」とのことでした。ぜひ復刊していただきたいと思います。
4冊目は小平桂一さんの『宇宙の果てまで―すばる大望遠鏡プロジェクト20年の軌跡』。すばる望遠鏡については、海部宣男さんの岩波新書や家正則さんの岩波ジュニア新書もすばらしい本です。
⇒ 海部さんの本は、このブログでも以前に取り上げました。
5冊目については、担当の編集者の方から「できればご自身の著作を1点入れていただきたい」とのことでしたので、拙著『強い力と弱い力』を取りあげました。伝える技術の実践としてどれだけ成功しているのか、ご批判いただきたいと思います。
責任を持ってご推薦するために、すべての本を読み直しました。
『日本語の作文技術』を読んだのは久しぶりでしたが、よい本だとあらためて思いました。例文が時代を感じさせますが。
『数学入門辞典』は東京のオフィスに置いてあったので、急遽、知り合いの岩波編集部の方に一冊カリフォルニアまで送っていただきました。もちろん私が費用を支払ったのですが、Fedexでお願いしたので、送料のほうが高くつきました。
岩波文庫の『天文対話』は品切れだったので、ガリレオ研究で有名な科学史家スティルマン・ドレイクによる英訳を読みました。右の写真に写っているのが、ドレイクの英訳本。読みやすい訳だと思いました。
ところで、週刊誌『エコノミスト』に「名門高校の校風と人脈」という記事が連載されていて、1月29日号では私の母校である岐阜高校が取り上げられていました。岐阜高校を出身した学者の紹介が、日本の近代数学の礎を築いた高木貞治さんで始まることは当然ですが、読み進んでいくと、今回の『日経サイエンス』の書評特集に寄稿されている住明正さんが、地球温暖化について研究している気象学者として紹介されていました。私の高校の先輩でいらしたのですね。
今回の『日経サイエンス』は、環境特集が「越境汚染」、天文特集が「隕石の衝撃」と、どちらもタイムリーな内容で、とても面白かったです。ぜひご覧ください。
by planckscale
| 2013-03-29 23:15