2013年 07月 17日
アスペン、その2 |

土曜日にはレナード・バーンスタイン作曲のオペラ 「カンディード」 を鑑賞しました。
ボルテールの同名の小説が原作で、戦争、異端審問、奴隷制、リスボン大地震といった18世紀の不幸や災害が、主人公に次々と襲いかかる話です。ゴットフィールド・ライプニッツの 「私たちのこの世界が、可能な世界の中で最善のものである」 という思想を風刺したものなのだそうなので、私は 「人間原理」 を思い浮かべました。
今週の木曜日に、アスペン物理学センターで一般講演をするので、そのネタに使おうかと思っています。
物理学センターでは、先週に続いて6次元の(0,2)理論の話が続きます。月曜日には、韓国の高等研究所のキメヨン・リーさんと、ノースウェスターン大学のケビン・コステロさんの講演がありました。リーさんの話は(0,2)理論の楕円指数の話でしたが、私にはコステロさんの話に特に興味がありました。
左の写真は、コステロさんの講演の様子です。物理学センターでは、天気がよいときには、野外のセミナー会場を使います。
私は、1993年に、マイケル・ベルシャドスキーさん、セルジオ・チェコッテイさん、カムラン・バッファさんと一緒に、トポロジカルな弦理論の計算方法を開発し、カラビ・ヤウ多様体のミラー対称性の概念を、弦理論の摂動の高次の項に拡張しました。
これは、私たちの頭文字をとってBCOV理論と呼ばれていますが、コステロさんは、これが6次元の(0,2)理論の可換な場合に対応しているという主張をしました。いくつかの状況証拠を示してくれましたが、たとえばBCOV理論の結合定数にあたるものが、可換な(0,2)理論では何にあたるのかなどの疑問が残りました。
今晩も、夕食後にアスペンの街を散歩しているときに、テキサス大学のアンドリュー・ナイツケさんと会ったので、その話をしていて、どうも納得できないと言っているところに、ちょうどコステロさんも通りかかったので、またひとしきり議論になりました。
by planckscale
| 2013-07-17 13:45









