2013年 07月 25日
アスペン、その4 |
アスペンには素敵な本屋さんがあります。最近は、米国でも小さい本屋さんが少なくなっているので、アスペンにいる間は、Amazonではなく、こちらで本を買うようにしています。先日、本を買っていたら、後ろから「オオグリさん?」と呼ばれました。振り返ったら、小学生ぐらいの子供を二人連れたお母さんでした。先週の物理学センターでの講演にいらしたそうです。
その後で物理学センターに向かうと、車に荷物を積んでいた人に、「ミスター・フィジシスト」と呼びかけられました。その人も、先週の講演会にいらしたそうです。
小さい街で講演をした後では、品行方正にしていなければいけないと思いました。
昨日は、南極のアムンゼン‐スコット基地にある、左の写真の南極点望遠鏡が、宇宙マイクロ波背景輻射の偏光を観測したとの報告がありました。
初期宇宙のビッグバンの以前に、宇宙が指数関数的に膨張したインフレーションの時代があったという予想があり、背景輻射の偏光にその痕跡が残されていると考えられています。
今回観測された偏光は初期宇宙に生じたものではなく、その後に形成された銀河などの重力によって背景輻射の伝わり方が変化したためのものですが、初期宇宙の現象を起源とする偏光の観測に向けた重要なステップです。今後数年の間に、背景輻射の偏光の観測によって初期宇宙の理解が大きく進むと期待されます。
相変わらず、毎晩のようにアスペン音楽祭の演奏会に行っています。今日は、ギル・シャハムによるバッハの無伴奏バイオリン・ソナタとパルティータを聴きました。先週のはじめには売り切れになっていたのですが、舞台の上にも席を作ることになって、聴きに行くことができました。
右の写真は休息時間の舞台の様子。物理学センターで私が主催しているワークショップの参加者も聴きに来ていて、舞台の上にも少なくとも数学者が5人いました。
バイオリン一つで、あのように重層的な音が出せるのだと感銘を受けました。
演奏の余韻に浸っていたら、同じ列の夫婦から、「先週、重力についての講義をされましたね。重力の七不思議はおもしろかった」と言われました。また、コンサート会場の出口でも、きれいに着飾ったご夫人から、「重力って幻想なのね」と言われました。
小さい街で講演をした後では、品行方正にしていなければいけないと、改めて思いました。
by planckscale
| 2013-07-25 13:54









