2013年 08月 04日
アスペン、その6 |
ブルーバックスから8月20日に刊行される『超弦理論入門』の読者モニターには、3日間という短い募集期間にもかかわらず198名のご応募があったそうです。
「抽選で30名」とありましたが、応募者の多さに驚いた講談社が、急遽、校正本を20冊追加印刷して、50名の方にモニターになっていただくことになったそうです。
ご感想をお待ちしています。
8月1日からは、朝日新聞のWEBRONZAの執筆陣に参加しました。
2008年に終わった朝日新聞の論座に代わって、WEBマガジンとして配信されています。
初回の記事では、自己紹介もかねて、日米の大学の比較について書いてみました。もちろん、2000字程度では語りきれる話題ではないので、今回はほんのアペリティフです。
記事のタイトル「日米の大学の圧倒的な差はどこから来るのか」は、朝日新聞の編集委員の方がつけて下さいました。
朝日新聞社からのご依頼には、
「執筆された論考は2週間、当サイトのみに掲載することとします。3週目以降は、ご自身のブログへの掲載や著作物としての刊行を朝日新聞社は一切妨げません」
とありましたので、適当な時期に、このブログにも掲載していこうと思っています。
現在は、こちらから読むことができます。⇒ WEBRONZA
アスペン市では、バイク・シェアが始まったので、使ってみました。街のあちこちにスタンドがあって、1日7ドル払えば、どこで借りて、どこで返してもよいことになっています。頑丈にできた自転車なので、少し重いかなと思いましたが、街中のお使いには便利なようです。
アスペン物理学センターで私が主催しているワークショップ「超共形場の理論の数理」も今週が最後。水曜日には、東京大学の立川裕二さんの講演がありました。Strings 2013でザイバーグさんからお聞きした話でしたが、1時間半かけてじっくり聴けたのでよかったです。また、休憩をはさんで、現在進行中の研究についてもお話いただきました。
木曜日には、量子コンピュータについてのインフォーマルな議論があるということだったので、行ってみると、カナダのD-WAVE社が開発したと主張している量子コンピュータが本物かどうかという話でした。
すでにGoogleやNASA、航空会社のロッキードマーチン社などが購入しているそうで、チューリッヒのスイス連邦工業大学のマティアス・トロイヤーさんらが設置されているD-WAVE社の機械を試して、それが実際に量子力学的な効果で計算を行っているかを調べたのだそうです。
トロイヤーさんの話では、計算機のふるまいからして、古典力学の原理にもとづくプロセスではなく、量子力学のプロセスで働いているようである。しかし、効率がよいかどうかはあきらかではない、ということでした。分解して調べるわけには行かないので、インプットとアウトプットの様子から機械の働きを調べる探偵のような話でした。
18世紀後半に作られて話題になったチェスを指すロボット(実はチェスの名人が隠れていた)の仕組みについて考察した、エドガー・アラン・ポオの随筆『メルツェルの将棋差し』を思い出しました。
「抽選で30名」とありましたが、応募者の多さに驚いた講談社が、急遽、校正本を20冊追加印刷して、50名の方にモニターになっていただくことになったそうです。
ご感想をお待ちしています。

2008年に終わった朝日新聞の論座に代わって、WEBマガジンとして配信されています。
初回の記事では、自己紹介もかねて、日米の大学の比較について書いてみました。もちろん、2000字程度では語りきれる話題ではないので、今回はほんのアペリティフです。
記事のタイトル「日米の大学の圧倒的な差はどこから来るのか」は、朝日新聞の編集委員の方がつけて下さいました。
朝日新聞社からのご依頼には、
「執筆された論考は2週間、当サイトのみに掲載することとします。3週目以降は、ご自身のブログへの掲載や著作物としての刊行を朝日新聞社は一切妨げません」
とありましたので、適当な時期に、このブログにも掲載していこうと思っています。
現在は、こちらから読むことができます。⇒ WEBRONZA

アスペン物理学センターで私が主催しているワークショップ「超共形場の理論の数理」も今週が最後。水曜日には、東京大学の立川裕二さんの講演がありました。Strings 2013でザイバーグさんからお聞きした話でしたが、1時間半かけてじっくり聴けたのでよかったです。また、休憩をはさんで、現在進行中の研究についてもお話いただきました。
木曜日には、量子コンピュータについてのインフォーマルな議論があるということだったので、行ってみると、カナダのD-WAVE社が開発したと主張している量子コンピュータが本物かどうかという話でした。
すでにGoogleやNASA、航空会社のロッキードマーチン社などが購入しているそうで、チューリッヒのスイス連邦工業大学のマティアス・トロイヤーさんらが設置されているD-WAVE社の機械を試して、それが実際に量子力学的な効果で計算を行っているかを調べたのだそうです。
トロイヤーさんの話では、計算機のふるまいからして、古典力学の原理にもとづくプロセスではなく、量子力学のプロセスで働いているようである。しかし、効率がよいかどうかはあきらかではない、ということでした。分解して調べるわけには行かないので、インプットとアウトプットの様子から機械の働きを調べる探偵のような話でした。
18世紀後半に作られて話題になったチェスを指すロボット(実はチェスの名人が隠れていた)の仕組みについて考察した、エドガー・アラン・ポオの随筆『メルツェルの将棋差し』を思い出しました。


by planckscale
| 2013-08-04 08:30
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Comments(2)