2013年 08月 16日
ストーニー・ブルック |
朝日新聞のWEBRONZAに、私の書いた2本目の記事を掲載していただきました。前回は日米の大学比較の記事でしたが、今回は科学ネタで、お題は「アンドロメダ星雲の美しい写真の意味」。7月31日に、すばる望遠鏡に新たに搭載された新型カメラが捉えたアンドロメダ星雲の姿が公表され、テレビや新聞などでも大きく報道されました。この高性能カメラの大きな目的の一つは、「重力で宇宙を見る」ことであるというお話です。
朝日新聞社の規定の時期が過ぎたら、このブログにも再録しようと思っています。現在は、こちらから読むことができます。⇒ WEBRONZA
今週は、ニューヨーク市近郊のストーニー・ブルックにあるサイモンズ幾何学物理学研究所で開かれているワークショップに来ています。
木曜日には、私も現在論文にまとめている研究について話しをしました。セミナーの様子はビデオで見ることができます。⇒ セミナーのビデオ
ストーニーブルックには友人が多いので、毎晩のようにどこかの家に遊びに行きました。右の写真は、トポロジカルな弦理論の論文を一緒に書いたミハイル・ベルシャドスキーさんと。理論物理学者のパーティでは、よくなぞなぞが出題されます。簡単な問題ですが、ちょっとひねってあります。どれも式を書いて計算すれば、すぐに解けますが、直感的な方法で答えようという問題です。
(1) 同じ重さの2台のそりが、凍った湖の上を同じ速度で滑っています。動力はなく、勢いだけで動いています。そのときに雪が降ってきました。雪がそりの上に降り積もると、重くなって速度が落ちます。
そこで、一方のそりに乗っている人は、雪をそりの外に投げ捨てます。そりの運動方向に垂直な方向に雪を投げ捨てるとします。雪を投げ捨てれば、そりは軽くなります。
もう一方のそりに乗っている人は、雪を捨てないでそのまま運んでいくとします。
これがしばらく続いた後で、どちらのそりが速く進んでいるでしょうか。
(2) 平坦な地面の上で、4人の人(Aさん、Bさん、Cさん、Dさん)が、まっすぐに歩いています。各々一定の速さで歩いていますが、歩く速さや方向はバラバラです。2人の人が、同じ時間に同じ場所に来ると、立ち止まらないで通り過ぎます。(A、B)、(A、C)、(A、D)、(B、C)、(B、D)のどの組の2人も、同じ時間に同じ場所を通りすぎていたとします。このとき、CさんとDさんも、いつかどこかで出会うことがあるでしょうか。
地面は無限に広いとします。
(3) 自動車が止まっている状態から、加速して時速10キロになったとします。自動車の運動エネルギーは増えますが、それはガソリンの化学エネルギーが運動エネルギーに転換されたものです。運動エネルギーは、速さの2乗に比例します。
さて、この状態を、自動車が走り出す方向と反対の方向に、時速10キロで走っている人が見たとします。止まっている人から見たときには、時速0キロの自動車が時速10キロになったのですから、それと反対方向に走っている人から見ると、最初に時速10キロだった自動車が、時速20キロになったように見えるはずです。運動エネルギーが速さの2乗に比例するとすると、エネルギーの増加分は、止まっている人から見たときの3倍になるはずです(20×20-10×10=300なのに、10×10-0×0=100だから)。
しかし、動いている人から見たからといって、ガソリンの化学エネルギーの出力が3倍になったとは思えません。では、走っている人から見たときのエネルギーの保存則は一体どうなっているのでしょうか。
(4) 一本の棒の上に、アリが何匹か、右向きや左向きに歩いています。アリの速さは、どれも同じだとします。右向きのアリと左向きのアリがぶつかると、右向きのアリは左向きに、左向きのアリは右向きに反転して、前と同じ速さで歩いていきます。
棒の端まで来ると、アリは落ちてしまいます。
アリが落ちるまでの時間が一番長くなるように、アリの最初の位置と方向を選んだとします。アリが落ちてしまうまでの時間は、どのようにして決まるでしょうか。
by planckscale
| 2013-08-16 12:32









