2013年 09月 27日
点字本と「理系」の将来 |
今週はカブリIPMUで、「ホログラフィーQCD」と題した国際研究集会が開かれています。私も組織委員会に名前を載せていますが、実際に努力されたのは杉本茂樹さんで、私はもっぱらいろいろな人の発表を聞いて楽しみました。特にMITのポール・チェスラーさんや、ポーランドのクラクフ大学のロムアルド・ヤニクさんの、ホログラフィー原理と流体力学の話が面白かったです。
さて、拙著『重力とは何か』が点字本になりました。目の見えない方や見えにくい方のために、様々な福祉活動をされている日本ライトハウスの点字情報技術センターが作ってくださったもので、全国の点字図書館を通じて貸し出していただけるそうです。サンプル本とともに、所長の福井哲也さんから丁寧なお手紙をいただきました。
触覚の解像度は視覚より低く、また全体を一度に捉えられないために、簡単化する必要があるそうです。欠損角から重力が現れるようすなども、たくみに表現されています。
右の写真は、エラトステネスが地球を測った方法を触図で表現したもの。本書では私が自分で描きましたが、それが点字になったのを見て感激しました。
雑誌『クーリエ・ジャポン』に私のインタビュー記事が掲載されていました。「そして、「理系」が世界を支配する」という挑発的なタイトルの特集ですが、リード記事の最初に書かれた「日本は先進国のなかで、理系の教育や理系の人材を最も軽視しているのではないか?」というのはその通りだと思います。私のインタビュー記事のタイトルは、これもまた挑発的な「米国の「理系学生」たちの優秀さは日本の学生とは比べ物になりません」というもの。これは編集部の方がつけてくださったものですが、これについては、
「編集部としましては、あくまで弱体化した日本の理系教育に対する危機感を読者にも共有してほしいという意図」
とのご説明を受けました。もちろん日本の大学にも優秀な学生はたくさんいらっしゃるので、本文を読んでいただくと「平均的な学生を見れば」と何度も断りを入れています。
今回の特集では、昨年TEDxUTokyoでお会いしたYahooの事業戦略統括本部長をされている安宅和人さんのインタビュー記事もあり、思いもかけないところでご一緒できて光栄でした。
また、この特集では、インタビューのときに私がご紹介したニューヨークタイムズ紙の記事「大学の新しい測定基準:卒業生の給料」も引用されています。
インタビューを記事にまとめてくださった広部潤さんのブログ記事もあわせてご覧ください。
⇒ 広部さんのブログ記事
by planckscale
| 2013-09-27 21:36









