2013年 11月 26日
禁止されていないことは、すべて義務である |
ウェブ・マガジン 「幻冬舎plus」の連載 『数学の言葉で世界を見たら』 の記事 「計算されたリスクを取ること」 の後編を配信しました。この連載では、担当してくださっている小木田順子新書編集長に、
「数学の話なので、数式を使うことは当然だと考えています」
と言っていただいたので、数式も使っています。
ウェブ・マガジンでは、私が原稿をLaTeX構文で書き、JavaScriptのライブラリであるMathJaxを使用することで、数式を表示しています。幻冬舎の技術担当の方にとっては、初めての挑戦だったそうですが、
「暗号のように見えるLaTeXが、ぱっ、と数式に切り替わったときは感動しました」
とおっしゃっていました。
今回は、「経験に学ぶ」 ということを、確率の言葉で考えます
確率の勉強では、「サイコロを振ったときに1の目が出たからといって、次回サイコロを振ったときにどの目が出るかの確率は変わらない」と習います。しかし、癖のあるサイコロが混じっている場合には、次回からの確率が影響を受けることがあります。
今回の記事では、この考え方を、原子力発電の安全性の評価にあてはめてみます。
2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故によって、放射性物質が日本国内・国外へ拡散しました。上の図は、米国のエネルギー省が航空機から測定した3月17日・18日・19日の3日間の放射線濃度の地図です。
この事故があったということで、原子力発電の安全性の評価を変えるべきなのでしょうか。もしそうなら、どのようにして変えていったらよいのでしょうか。
「信頼を失う」 ということを、数学の言葉で表現するとどうなるかも考えてみます。
また、前編の冒頭でご紹介したO. J. シンプソン裁判でのダーショビッツ弁護士の弁論が、なぜ間違っているのかを説明します。
『数学の言葉で世界を見たら』 連載第2回の記事はこちらから。
⇒ 第2回:計算されたリスクを取ること 後編
次回配信は、来週の12月12日(木曜日)ごろになるそうです。
今のところ毎月12日前後とそれから2週間後を基本とし、ウェブ・マガジンで毎日新しい記事をアップできるように他の記事とのタイミングを合わせつつ、配信日を微調整しているのだそうです。
お楽しみに。
さて、Caltechの大学院生のボグダン・ストイカさん、MITの准教授のホン・リューさんとの共同研究をまとめて論文にしたものを発表しました。パリティの対称性が破れると、自発的に角運動量が生成されるという話です。
前回彼らと書いた論文では、スケール対称性がある場合に限りましたが、今回はもっと広い場合を調べたところ、やはり、パリティ対称性が破れると角運動量が生成されるという結果になりました。また、その角運動量の大きさに普遍的な規則があるようなところも面白いと思いました。
イングランド法における個人の自由を表現する言葉として、「禁止されていないことは、すべて許されている」というものがありますが、それをもじった「禁止されていないことは、すべて義務である」 という表現があります。物理学者のマレー・ゲルマンさんが、英国のテレンス・ハンベリー・ホワイトさんの小説『永遠の王』から取った言葉で、「量子力学では保存則などで禁止されていないことは必ず起きる」ということを表しています。
量子力学の「全体主義原理」と呼ばれることもあります。
今回の論文でも、パリティ対称性があれば角運動量の生成は許されませんが、この対称性が破れたとたんに角運動量が現れるということで、この全体主義原理の例といえるかもしれません。
よろしければご覧ください ⇒ パリティの破れによる角運動量の生成
by planckscale
| 2013-11-26 07:33









