2014年 06月 12日
空想の友達 |
今週は、プリンストンの高等研究所で来週開かれる大学院生向けの「理論物理学夏の学校」での連続講義の準備をしていました。私は、「トポロジカルな弦理論」について講義をします。
最後の回には、トポロジカルな弦理論の応用について話をする予定で、技術的な部分をどのように説明するか頭を悩ませていたのですが、ちょうどエドワード・ウィッテンさんがこの部分をより精密に説明する方法を研究なさっていて、私の最終回の前にそのお話をしてくださることになったので、講義のプランが明解になりました。
講義の準備と研究の合間にいくつか映画を観ました。
『グランド・ブタペスト・ホテル』 は、20世紀前半の中央ヨーロッパの小国のホテルを舞台にしたもので、ウェス・アンダーソン監督の美しい画面と名優たちの芸を楽しむ映画でした。
『イーダ』 の舞台は1960年代のポーランド。私は、このような 「ロードムービー」 は好きですが、一緒に行った家族には不評でした。
Caltechの卒業生のホルセ・シャムさんが大学院生の生活を描いた漫画 「PHD コミックス」 は、3年ほど前に映画になりましたが、この映画が、この1ヶ月の間だけ、ウェブで無料で観られるようになっています。Caltechの大学院生や職員の人を俳優に使って、舞台もCaltechなので、見ていて面白いです。続編を作るための資金集めのために公開しているようです。⇒ PHD ムービー
さて、幻冬舎のウェブマガジンで連載している数学エッセイ『数学の言葉で世界を見たら』では、「空想の数」の前編を配信しました。
日本で子育てをしたことがないのですが、米国では子どもが小さいときに "imaginary friend (空想の友達)" のことがよく話題になります。2歳から7歳ぐらいの子供は想像上の友達を持つことがあるというのです。
米国では、7歳までの子供の7割近くが空想の友達を持っているという調査もあって、空想の友人と会話をすることは、子供の心理的な成長に役立つのだともいわれています。
数学に現れる「虚数」は、英語では "imaginary number (空想の数)" と呼ばれていて、英語にすると 「空想の友達」 と同じような印象になります。
空想の友達のように、空想の数も数学の発展に大切な役割をしてきました。
今回の 「空想の数」 の目標は、小川洋子さんの小説 『博士の愛した数式』 にも登場した 「オイラーの公式」 です。これは、古代ギリシアから考えられてきた 「三角関数」 と、18世紀前後に発達した 「指数関数」 を結びつけるものですが、そこで活躍するのが 「空想の数」 である虚数です。
『数学の言葉で世界を見たら』 連載の第15回の記事はこちらから。
⇒ 第15回 : 空想の数 前編
次回第16回の配信は6月27日(金曜日)の予定です。お楽しみに。
最後の回には、トポロジカルな弦理論の応用について話をする予定で、技術的な部分をどのように説明するか頭を悩ませていたのですが、ちょうどエドワード・ウィッテンさんがこの部分をより精密に説明する方法を研究なさっていて、私の最終回の前にそのお話をしてくださることになったので、講義のプランが明解になりました。
講義の準備と研究の合間にいくつか映画を観ました。
『グランド・ブタペスト・ホテル』 は、20世紀前半の中央ヨーロッパの小国のホテルを舞台にしたもので、ウェス・アンダーソン監督の美しい画面と名優たちの芸を楽しむ映画でした。
『イーダ』 の舞台は1960年代のポーランド。私は、このような 「ロードムービー」 は好きですが、一緒に行った家族には不評でした。
Caltechの卒業生のホルセ・シャムさんが大学院生の生活を描いた漫画 「PHD コミックス」 は、3年ほど前に映画になりましたが、この映画が、この1ヶ月の間だけ、ウェブで無料で観られるようになっています。Caltechの大学院生や職員の人を俳優に使って、舞台もCaltechなので、見ていて面白いです。続編を作るための資金集めのために公開しているようです。⇒ PHD ムービー
さて、幻冬舎のウェブマガジンで連載している数学エッセイ『数学の言葉で世界を見たら』では、「空想の数」の前編を配信しました。
日本で子育てをしたことがないのですが、米国では子どもが小さいときに "imaginary friend (空想の友達)" のことがよく話題になります。2歳から7歳ぐらいの子供は想像上の友達を持つことがあるというのです。
米国では、7歳までの子供の7割近くが空想の友達を持っているという調査もあって、空想の友人と会話をすることは、子供の心理的な成長に役立つのだともいわれています。
数学に現れる「虚数」は、英語では "imaginary number (空想の数)" と呼ばれていて、英語にすると 「空想の友達」 と同じような印象になります。
空想の友達のように、空想の数も数学の発展に大切な役割をしてきました。
今回の 「空想の数」 の目標は、小川洋子さんの小説 『博士の愛した数式』 にも登場した 「オイラーの公式」 です。これは、古代ギリシアから考えられてきた 「三角関数」 と、18世紀前後に発達した 「指数関数」 を結びつけるものですが、そこで活躍するのが 「空想の数」 である虚数です。
『数学の言葉で世界を見たら』 連載の第15回の記事はこちらから。
⇒ 第15回 : 空想の数 前編
次回第16回の配信は6月27日(金曜日)の予定です。お楽しみに。
by planckscale
| 2014-06-12 07:42









