2014年 07月 27日
『数学の言葉で世界を見たら』 最終回 |

昨年の11月から、ウェブマガジン幻冬舎plusで連載していた『数学の言葉で世界を見たら』の最終回を配信しました。最後の話題は「ガロア理論」です。
この連載では、タイトルにあるように、数学の「言葉を学ぶ」という側面に着目してきました。数学は、基本原理に立ち返り、物事をできるだけ正確に表現するために作られた言葉です。
古代のローマ帝国が滅びた後に、ヨーロッパを再び統一したカール大帝は、
「別な言葉を習うことは、もうひとつの魂を得ることになる」
と語ったといわれています。私たちの考え方は言葉に支配されているので、外国語を身につけることは、新しい考え方を学ぶことにもなるということでしょう。数学を勉強することは、すぐに役に立つ方法を習うだけでなく、こうした考え方を鍛えることでもあると思います。
数学は発展途上の言語でもあります。科学の最先端では、最新の科学知識を語るために、新しい数学が次々と生まれています。私の所属している東京大学のKavli IPMUでも、数学者と物理学者が新しい数学を作りながら、宇宙の謎の解明に取り組んでいます。
これまで語ることができなかったことを語り、解くことのできなかった問題を解くための、新しい言葉を作るといいうことは、人間の知的活動の最も素晴らしいもののひとつだと思います。この連載では、古代バビロニアやギリシアの時代から、中国やアラビア文明の黄金期、中世のヨーロッパからルネッサンスの科学革命、江戸時代の和算、フランス革命やドイツの近代大学制度を経て現代にいたるまで、人類が何千年もかけて作り上げてきた数学の様々な面を見てきました。こうした活動に触れることで「もうひとつの魂を得る」ことも、数学を学ぶ大切な意義だと思います。
『数学の言葉で世界を見たら』 連載最終回の記事はこちらから。
⇒ 第18回 : 難しさを測る、美しさを測る 後編
ところで、幻冬舎plusでは、「お気に入り連載発掘キャンペーン」というのをやっていて、気になる・好きな連載を選んで応募すると、賞品が当たるチャンスがあるそうです。
『数学の言葉で世界を見たら』もノミネートされています。
⇒ 「お気に入り連載発掘キャンペーン」
私が9月に朝日カルチャーセンター新宿教室で開講する講座「「素数の話、解の公式の話」の招待券も賞品になっているようです。
by planckscale
| 2014-07-27 06:27









