2014年 12月 28日
『黒板と異次元の事件』 |
先月、母校の岐阜高校の「グローバルリーダ養成事業」の一環として、全校生徒約1200名の生徒の前で「重力とは何か」と題した講演をしました。その機会に、高校の美術の先生が私の肖像画を描いてくださいました。左がその写真です。
年末になりましたが、今年の春から、Caltechの大学院生のボグダン・ストイカさんと、シカゴ大学の大学院生のジェニファー・リンさんと研究していた成果が論文にまとまりました。
詰めの段階で、Caltechの数学教授のマチルダ・マルコリさんに、量子情報理論についてご相談にのっていただきましたので、彼女にも共著者になっていただきました。
"Tomography from Entanglement"というタイトルで、ホログラフィー原理から時空が創発する様子を微視的に理解するのが目的の論文です。場の量子論の「量子もつれ」の情報を使うと、ホログラフィー原理で対応する重力理論のエネルギー分布が局所的にわかるということで、コンピュータ断層撮影(CT)などで使われる「トモグラフィー」という言葉をタイトルに使いました。
こちらから、読むことができます。⇒ "Tomography from Entanglement"
ジェニファー・リンさんは、来年の春に博士号取得予定で、この秋は研究職に応募していました。私たちとの研究についてセミナーをして周ったそうですが、晴れてプリンストンの高等研究所からオファーがあったという報告がありました。おめでとうございます。
さて、友人で、大阪大学の教授の橋本幸士さんが、『シャーロック・ホームズ 黒板と異次元の事件』と題した小説を書かれて、自費出版されました。送ってくださったので、早速読みました。シャーロックホームズの作品を研究する人々のことを、シャーロキアンと呼びます。中には、ホームズを実在の人物とし、コナン・ドイルの同名のシリーズをノン・フィクションとして、研究を行う人たちもいるそうです。
⇒ ロンドンのシャーロック・ホームズ協会
橋本さんもシャーロキアンで、『シャーロックホームズ紀要』にも、『『小惑星の力学』の内容』と題した論文を寄稿されています。ホームズの宿敵であるモリアティー教授の研究が何であったかという問題への解答を試みたもので、理論物理学者の面目躍如たるものがあります。
このようなシャーロキアンの橋本さんが、コナン・ドイルのオマージュとして書かれた小説なので、随所に仕掛けがしてあります。論文執筆の間に楽しんで読みました。
よい新年をお迎えください。
by PlanckScale
| 2014-12-28 15:34









