2015年 01月 10日
Caltechの大学入試 |
今年は、アインシュタインが一般相対性理論を完成してから100年になる記念の年です。詳しい歴史については、拙著 『重力とは何か』 の第3章にも書きましたが、当時最高の数学者とされたダフィート・ヒルベルトのデッドヒートの末、ベルリンの科学アカデミーで4回の連続講義を行いながら理論を完成させ、最終回に正しい方程式を発表したのが1915年の11月でした。
実際に論文として発表されたのは1916年なので、今年から来年にかけては、世界各地で記念の行事が開かれます。
日本経済新聞でも、新年1月4日のサイエンス欄のトップに、「物理学の道を示した相対性理論から100年」、「相対性理論 宇宙研究開く」、「量子力学と両輪 謎に迫る」との見出しで、特集記事が組まれていました。私のコメントも、掲載していただきました。
12月の後半から1月の始めは、博士課程を修了した大学院生のポストドクトラル・フェローシップが決まる時期で、応募する方も、オファーする方も、ドキドキします。
年末に私と一緒に論文を発表したシカゴ大学のジェニファー・リンさんにプリンストンの高等研究所からのオファーがあったことは、すでにブログに書きましたが、カブリIPMUのマウリチオ・ロモさんや、Caltechの私の研究室のパベル・プトロフさんにも、同じく高等研究所からオファーがあって、皆さんアクセプトされました。私の周りで研究している人たちに、この分野では世界最先端の研究機関のひとつである高等研究所から、次々にオファーがあるのは、とてもよい知らせだと思います。
一方、オファーを出す方も、アクセプトされるまでは気が休まりません。幸い、カブリIPMUの超弦理論の分野でオファーを出したイタマー・ヤーコフさん(プリンストン大学)と米倉和也さん(プリンストン高等研究所)、Caltechの私の研究室でオファーを出したマーティン・フルーダーさん(オクスフォード大学)は、いずれもアクセプトしてくださいました。最初にオファーを出した人がアクセプトしてくださるのは、研究室の研究環境を認めてくださったということでもあるので、嬉しいです。さて、Caltechでも授業が再開されました。私は、秋学期に続いて、東京大学とCaltechをビデオ会議でつないだ「先端物理学国際講義」を行っています。時差のため、Caltechの学生は夕食後の参加になるので、毎回、お菓子を焼いていきます。今週は、公現祭にちなんだガレット・デ・ロワにしました。折パイにアーモンド・クリームが入ったものですが、ナッツにアレルギーがある生徒もいるので、かぼちゃバージョンも作りました。
今年もCaltechの学部入試委員なので、こちらの委員会もありました。最近は、海外からの志願者も多く、国によって教育制度や課外活動の機会が異なるので、それをどのように評価すべきかということも議論されました。
米国の高校生には、様々な大学や研究所、企業や非営利団体などでボランティアをする機会もたくさんあります。
一方、日本の高校生は、そのような機会のある人が少ないので、「不利になるのでしょうか」と専門職員にお尋ねしたところ、「日本などでは、そのような機会が少ないことはよく承知しているので、審査で勘案している。むしろ、エッセイなどので、自分の科学への熱意を伝えることが重要だ」とのことでした。ただし、数学オリンピックのようなコンペティションは重視しているようです。
日本からの志願者は少ないので、特に注意をはらっている。もっと志願してきてほしい、とのことでした。
by PlanckScale
| 2015-01-10 15:40









