2015年 03月 23日
ケンブリッジ大学 その1 |
昨日までは、カリブ海のプエルトリコで開かれていた「量子エンタングルメント」のシンポジウムに参加していましたが、土曜日の飛行機でロンドンに飛び、ケンブリッジ大学に来ています。ヨーロッパで毎年開かれてる超弦理論の国際会議「Eurostrings」で講演するためです。
ケンブリッジ大学はいくつかのカレッジからできていて、私はジーザス・カレッジに滞在しています。
今日はレセプションがあったので、セント・ジョーンズ・カレッジを抜けて、数理科学キャンパスでのレセプションに行きました。このブログ記事に添付した写真は、セント・ジョーンズ・カレッジを通り抜けていくときに撮ったものです。セント・ジョーンズ・カレッジは、最近では、映画『博士と彼女のセオリー』の撮影にも使われたので、この映画をご覧になった方は、写真の場所に、見覚えがあるのではないでしょうか。
この映画でスティーブン・ホーキングさんを演じられたエディ・レッドメインさんは、アカデミー賞を受賞されました。私は、昨年の10月に、ロサンゼルスで公開前の試写会に行きました。まだ、『博士と彼女のセオリー』という邦題が発表されていなかったので、そのときのブログ記事は原題"Theory of Everything"の直訳の「万物の理論」にしました。
⇒ 『博士と彼女のセオリー』の試写会
さて、先週出版された拙著 『数学の言葉で世界を見たら』 は、幸い評判がよいようで、週末には、朝日新聞と毎日新聞に広告が出ました(左の写真)。科学ブログをつけていらっしゃる「とねさん」が、書評を書いてくださいました。
⇒ とねさんの書評
ポイントをつかんで、ご紹介くださっているので、少し引用します。
----- 以下、とね日記から -----
数学嫌いの子供は「数学っていったい何の役に立つのかわからない。数学使わなくても生きていけるでしょ!」と思いがちだが、本書を読めば、たとえ半分くらいしか理解できなかったとしても、大いに刺激を受けることだろう。そんな力を持った本である。
数学の話の中でも特に人気の高いテーマがこの1冊にたくさん詰め込まれているので、とても「お得感」がある。
本書の中でいちばん僕の印象に残ったのは「数学は人間の都合とはお構いなしに、自分自身の生命を持って発展していく。」という言葉だった。
【以下、各章の紹介になります】
第1話
導入部の「つかみ」がとてもよい。当時全米の話題をさらったO.J.シンプソン事件と数学がどう関係してくるのか、読者はいきなり本書に没頭できると思った。
第2話
この章でいう「基本原理」とは足し算や掛け算の分配則、結合則、交換則のことだ。これらを学校で学んだとき、みなさんはどのような気持になっただろうか。僕の場合「そんなの当たり前じゃん!」だった。けれども、第2話ではこれらの法則が思いもよらない威力を発揮するのを知ることになるだろう。
第3話
数学では解を厳密に求めるのが普通だが、概数を知ることも大切なことだ。その例として取り上げられているのが「フェルミ推定」である。「大気中の二酸化炭素の増加量」や「人類のエネルギー消費量、二酸化炭素排出量」など、日ごろの生活で気になる数値を求めることができるのだ。
第4話
素数については語るべきことが多く、これだけのページ数にまとめていらっしゃることに僕は驚いた。
第5話
ホテル・カリフォルニアは僕にとっても懐かしい曲である。この曲は高校時代によく流れていたなぁという思いにとらわれたが、すぐ「なぜ、ホテルカリフォルニアなの?」と我に返り、先を読み進めることになる。有名な「ゲーデルの不完全性定理」の内容を初心者にもわかるように説明しているのが素晴らしいと思った。
第6話
ここで紹介されていた「一生忘れないピタゴラスの定理の証明法」のことも僕は知らなかった。確かにこれは素晴らしい!
第7話
本書を読むと科学史では積分→微分の順に発見されていたということが新鮮に思えるかもしれない。それは微分のほうが「極限」という高度な概念の理解が必要だったからだ。数学において何が高度で何がそうでないかということを考えさせてくれるのがよいと思う。
第8話
出だしの「空想の数」という話がとても面白かった。2歳から7歳ぐらいの子供は「空想の友達」、つまり想像上の友達を持つことがあるという話だ。空想の友達は子供が小学校にあがるころにはいなくなってしまうのだが、空想の数はいなくならない。虚数の実在性は数学の世界の中で確固たるものとして受け入れられていく。
第9話
最近の動向にもアンテナを張っていらっしゃることに僕は驚かされた。
本書はご自身でお読みになるだけでなく、友達や(高校生以上の)お子さんへのプレゼントとしてもふさわしい。ぜひお読みになっていただきたい。
by PlanckScale
| 2015-03-23 05:54









