2015年 06月 25日
副部門長任期満了 |

左の写真は、卒業式に入場する前に、教授陣と歓談しているところです。私の左は計算機科学がご専門のアダム・ウィアーマンさん、右は物性理論のギル・レファエルさんです。
超弦理論の国際会議 Strings 2015 がインドで開催されています。ちょうど今月末に、Caltechの物理学・数学・天文学部門副部門長を、5年間の任期満了で退任するので、残務のために参加できないのが残念です。
Caltechには、普通の大学のような学部がなく、その代わりに6つの部門があります。物理学・数学・天文学部門は、理学部のようなもので、私の役職は理学部副部長のようなものでした。
この5年間に私が行った主な業務としては、
☆ 物理学・数学・天文学部門の、10年間にわたる長期戦略計画の策定。
これは、2012年の終わりに完成して、翌年に教授会で承認され、大学本部に提出されました。

これは、フェアチャイルド財団やムーア財団からのご支援で、ウォルター・バーク理論物理学研究所として、昨年創立され、私が初代の所長になりました。
☆ 部門の研究・教育資金調達。
財団や篤志家の方々にお会いする機会もあり、世界が拡がりました。
☆ 部門の建物の改装計画。
私の属する素粒子論研究室の改装も行いました。右上の写真が、改装後の様子です。
☆ 教授人事を含む、部門の運営に関するアドバイス。
でした。
幸いにして、5年間の任期で、ほぼすべての目標を達成することができました。

『素粒子のランドスケープ』
『重力とは何か』
『強い力と弱い力』
『大栗先生の超弦理論入門』
『数学の言葉で世界を見たら』
を上梓し、また様々な雑誌にも解説記事を寄稿しました。
幸い、ブルーバックスの『超弦理論入門』は、講談社科学出版賞を受賞しました。
今週は、『数学の言葉で世界を見たら』が重版4刷になったとの連絡がありました。
お読みいただいた方から、アマゾンのサイトなどでご意見をお聞かせいただけると嬉しいです。⇒ 『数学の言葉で世界を見たら』
副部門長の5年間の任期を満了したので、9月からは1年間サバティカル(研究休暇)をいただけることになりました。理論物理学の研究に専念できるのが楽しみです。
とういわけで、今日はお世話になった部門スタッフの方々に花束で感謝の気持ちを表しました。



by PlanckScale
| 2015-06-25 05:25