2016年 02月 27日
二十歳になったF理論 |

F理論は、IIB型超弦理論で様々なブレーンがある状態を、12次元の幾何学を使って分析する方法で、今からちょうど20年前の1996年の2月に、ハーバード大学のカムラン・バッファさんが考案しました。それ以来、F理論は超弦理論のコンパクト化で4次元の素粒子模型を作る強力な手段となり、また様々な次元のゲージ理論や共形場の理論の理解を進める役割も果たしてきました。
この分野で大きな貢献をされた数学者のディビッド・モリソンさんが還暦を迎えられたので、会議の4日目はお祝いのプログラムも組みました。私も、モリソンさんと共著の論文がひとつあるので、現在進行中の研究について講演をさせていただきました。上の写真は、モリソンさんのお祝いの集合写真です。
会議は5日目金曜日の午前中までありましたが、私は金曜日の飛行機でイスラエルに向かいます。
さて、2月11日に、Caltech、MIT と LIGO が重力波の観測を発表した時に、朝日新聞のWEBRONZAに解説記事を書きましたが、この記事が発表の直後に配信できた経緯について、朝日新聞編集委員の高橋真理子さんがヤフーニュースに記事を書かれました。
⇒ 「重力波発見の大ニュースに、すぐ第一人者・大栗博司さんの解説記事を出せたわけ」
未来館で科学監修をした3次元映像作品『9次元からきた男』も、4月20日の一般公開に向けて準備が進んでいます。今週は、特設ウェブサイトが開設されました。
⇒ 9次元からきた男特設サイト
上に貼った私のインタビューなどを見ることができます。また、私が1月のプレミア試写会で 「9次元からきた男とは何者か」 と題して行った講演のビデオなども、追々掲載される予定です。
監督をなさった清水崇さんのインタビューも貼っておきます。


by PlanckScale
| 2016-02-27 07:03