2016年 05月 06日
中日文化賞 |

中日文化賞は、中日新聞社が日本国憲法の施行を記念して1947年に設立した賞です。
毎年、憲法記念日の5月3日に発表されることになっているそうです。
今年度は、私のほかに、
「素粒子ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動の発見」で2015年度ノーベル物理学賞を受賞された東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さん、
「現代詩の実践と近・現代詩史論の体系化」をされた詩人で文芸評論家の北川透さん、
線虫の「神経回路の情報処理機構に関する研究」で成果をあげられた名古屋大学大学院理学研究科教授の森郁恵さん、
が受賞されます。
私の授賞理由は、「素粒子論に現代数学を取り入れた最先端理論の開発」で、現代数学の成果を使って場の理論や超弦理論の新しい理論的手法を開発し、物理学の基礎的問題の解決につなげたことが評価されたそうです。
梶田さんは、私と同様に、カブリIPMU設立時から主任研究員をなさっています。カブリIPMUのニュースリリースには、機構長の村山斉さんが、
「梶田さんと大栗さんは、お二人ともKavli IPMUの誇りです。中日文化賞は大変由緒ある賞ですが、梶田さんはノーベル賞に輝いた大気ニュートリノ振動、そしてニュートリノの質量の発見、大栗さんは素粒子と宇宙の究極理論と言われる超弦理論へ現代数学を駆使した甚大な貢献について、それぞれ業績が認められたものです」
「お二人とも素晴らしいのは、こうした業績にあぐらをかかず、梶田さんはこれからの重力波を使った新しい天文学と重力理論の検証、大栗さんは物性理論への応用や数学への新しい寄与など、むしろ今まで以上に活発に研究を進められています」
「今後の物理学と関連分野の発展に更に大きな貢献をあげられるに違いありません。これからのお二人のご活躍が楽しみです」
とのコメントを書いてくださいました。

子供のころからなじみのある中日新聞から賞がいただけて、とりわけ嬉しいです。
これを励みに、ますます研究に精進いたします。


by PlanckScale
| 2016-05-06 11:54