2016年 11月 18日
『真理の探究』 |

『真理の探究 - 仏教と宇宙物理学の対話』
が、11月30日に幻冬舎新書から出版されます。
佐々木さんは、浄土真宗の僧侶でもあられますが、現在は京都の花園大学の仏教学科教授として、仏教史や仏教哲学を研究されています。
朝日新聞の夕刊に、「日々是修行」という連載をされていたので、ご存知の方も多いかと思います。
NHKの番組「100分 de 名著」でも、『ブッダ 真理の言葉』、『般若心経』、『ブッダ 最期のことば』という3つのシリーズで解説されていました。
一昨年の秋に名古屋の中日文化センターから、「開設50周年の記念講座として佐々木先生との対談を開催したい」というご提案がありました。
そこで、科学と仏教の関係を論じた佐々木さんの著書を拝見すると、
「唯識と脳科学だの、マンダラと量子宇宙だの、つき合わせてみても意味がない」
と書かれていました。本の内容から、合理的な考え方をされる方だということが分かりましたので、安心して対談のご提案をお受けしました。
これがきっかけとなってできたのが本書です。

これは、ノーベル賞を受賞した偉大な物理学者であるスティーブン・ワインバーグが、名著 『宇宙創成 はじめの3分間』に書いた、
「宇宙のことが分かるにつれて、そこには意味がないように思えてくる」
という言葉にも、端的に表れています。
20世紀に隆盛を極めた実存主義の哲学も、「意味のない人生をどのように生きるか」という問いに答えようという試みだったと思います。
ところが、佐々木さんによると、釈迦はすでに2500年前に、
「宇宙の真ん中に自分がいるという世界観が私たちの苦しみを生み出す根本原因だ」
と見抜いていたのだそうです。
つまり、心の働きを微細に観察し人間の真理を追究した釈迦の仏教と、自然法則の発見を通して宇宙の真理を追究した近代科学が、この世の真理を求めて到達したのは、いずれも、
「人生の目的はあらかじめ与えられているものでなく、そもそも生きることに意味はない」
という結論だったわけです。
では、そのような世界で人はどうしたら絶望せずに生きられるのか。なぜ物事を正しく見ることが必要なのか。
本書では、古代釈迦の教えから最先端の科学までを語りながら、こうした問題の答えを探ります。
発売は今月末ですが、アマゾンではすでに予約販売が始まっています。
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お読みいただけるとうれしいです。
目次は、以下のようになっています:
序 心のフィルターを外す営み - 仏教と物理学の接点 (佐々木閑)
第1部 宇宙の姿はどこまで分かったか (大栗博司 / 聞き手 佐々木閑)
第2部 生きることはなぜ「苦」なのか (佐々木閑 / 聞き手 大栗博司)
第3部 「よく生きる」とはどういうことか (佐々木閑 × 大栗博司)
特別講義1 「万物の理論」に挑む (大栗博司)
特別講義2 大乗仏教の起源に迫る (佐々木閑)


by PlanckScale
| 2016-11-18 13:55