2017年 03月 12日
カルツァ-クライン理論の不安定性 |

Caltechの大学院1年生のレブ・スポディネイコさんと書いた論文を、電子アーカイブに投稿しました。
⇒ "New Kaluza-Klein Instantons and Decay of AdS Vacua"
昨年の秋に、ハーバード大学のカムラン・バッファさんと、
「反ドジッター時空間は、超対称性を持たない状況では不安定になる」
と主張する論文を書いところ(その時の記事はこちら)、11次元のM理論を6次元のアインシュタイン‐ケーラー空間にコンパクト化すると、超対称性を持たない反ドジッター時空間になるので、反例ではないかという指摘がありました。
そこで、この例をスポディネイコさんとよく調べてみると、この5次元反ドジッター時空間は、トンネル効果によって不安定になることが分かりました。
1981年にエドワード・ウィッテンさんが、5次元のミンコフスキー空間を1次元の円にコンパクト化して4次元のミンコフスキー空間にするという、最も基本的なカルツァ-クライン理論が、トンネル効果で不安定になるという論文を書いていました。
それ以来36年間、ウィッテンさんのトンネル効果を高次元に拡張することが試みられ、うまくいかないと思われていいました。ところが、バッファさん書いた論文に動機づけられ、調べてみたら、高次元への拡張が見つかったというわけです。

話は変わりますが、私が監修をした3D科学映像作品『9次元からきた男』が、VFX-Japan アワードの先導的視覚効果部門 最優秀賞に選ばれました。
日本のCG・VFX映像に対して贈られる賞で、視覚効果を担当されたオムニバス・ジャパンの 徳重岳浩プロデューサーが受賞されました。おめでとうございます。
ノミネートされていた、
リオオリンピック閉会式でのTokyo 2020 のプレゼンテーション (安倍首相がマリオになって登場して話題になりました)
ジャパン歌舞伎フェスティバル in ラスベガス (ホテル・ベラージオの噴水と組み合わせた市川染五郎さんの「鯉つかみ」が迫力あります)
攻殻機動隊 Virtual Reality Diver (シリーズ第1作のゴースト・イン・ザ・シェルは、パラマウント映画がリメークしました)
を抑えての最優秀賞で、素晴らしい評価だと思います。
様々な才能を持った方々と仕事ができて、楽しかったです。
by PlanckScale
| 2017-03-12 12:45









