2017年 07月 05日
Strings 2017 |

エルサレムには何度か行ったことがありますが、テルアビブは初めてでした。地中海に面した近代的な都市です。
左の写真は、会議のバンケットが開かれたレストランの屋上で、インドからいらしたスペンタ・ワディアさんと撮りました。ワディアさんとは30年来のお付き合いで、1月には彼の退官記念シンポジウムのために、インドのバンガロールまで行ってきました。
その時のブログ記事です。⇒「インドからの電報」
来年は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で Strings 2018 を開催する予定なので、組織委員長をしている私がアナウンスをしました。上のビデオです(AVの不調のため、最初の部分がうまく撮れていません)。
Strings 2017は、イスラエルの超弦理論研究者たちが「オール・イスラエル体制」で開催し、大成功だったと思います。講演のレベルはとても高く、また「おもてなし」の面でも、最高でした。
会議中に、何人もの人たちに、「今年の会議がこれだけレベルが高いと、来年は大変だね」とプレッシャーをかけられました。
また、今年はAdS/CFT対応発見の20周年なので、それを記念する特別セッションがありました。私も、そのセッションで講演をさせていただきました。上のビデオです。
座長をされたディビッド・グロスさんからは、「AdS/CFT対応から学んだことを数点と、将来への期待を数点述べよ」という課題をいただきました。
私の講演のタイトルは、"AdS/CFT in your everyday life"。
AdS/CFT対応は、ある状況の下で量子重力理論の定義を与えるものなので、それを使うと、量子重力で何か可能であり、何か可能でないかが分かることが重要だというお話をしました。また、その流れで、最近研究している量子重力理論の対称性の問題や「弱い重力予想」にも触れました。そして、量子重力理論には、UV/IR 関係という不思議な性質があるので、高いエネルギーでの力の統一の詳細が、低エネルギー有効理論にも重要な帰結をもたらすかもしれないという希望で締めくくりました。


by PlanckScale
| 2017-07-05 11:41